生活習慣病
コレステロール値が高い原因は食生活?トランス脂肪酸と体への影響を徹底解説

「健康診断でコレステロール値が高いと言われたけど、食事が原因なのかな?」
そんな疑問を持ったことはありませんか。実は、毎日の食生活の中で知らず知らず摂っている“トランス脂肪酸”が、コレステロール値を押し上げている可能性があります。
この記事では、トランス脂肪酸とは何か、その影響、国内外の規制の違い、そして日常でできる改善ポイントについて解説します。健康を守る第一歩として、ぜひ参考にしてください。
トランス脂肪酸とは?

トランス脂肪酸は、植物油を加工してマーガリンやショートニングを作る過程で発生する人工的な脂肪酸です。
パンやクッキー、スナック菓子、ファストフードなど、私たちが日常的に口にする食品に広く含まれています。
健康への影響
・悪玉(LDL)コレステロールを増加
・善玉(HDL)コレステロールを減少
その結果、動脈硬化や心疾患リスクが上昇するとされています。
「完全に悪い成分」というわけではありませんが、摂取を減らす工夫が健康維持につながるのです。
食品業界の取り組み
日本国内でも健康志向の高まりにより、食品メーカーが「トランス脂肪酸ゼロ」「低減」を掲げる商品を増やしています。
例えば、マーガリンやスナック菓子など従来多く含まれていた製品でも、製造工程の見直しや原材料の工夫で含有量を抑える努力が進んでいます。消費者ができる工夫は、食品表示の確認です。
パッケージ裏に「部分水素添加油脂」と記載があれば、トランス脂肪酸を含む可能性があるため注意が必要です。
世界での規制状況
・アメリカ:2018年以降、食品への使用を原則禁止。
・デンマーク・スイスなど欧州諸国:含有量に厳しい上限を設け規制。
こうした国々では、規制後に心疾患リスクの低下が報告されています。
一方、日本では法的規制はなく、厚生労働省が「総摂取カロリーの1%未満に抑える」よう呼びかけています。つまり、自己管理が重要なのです。
脂肪酸の種類と体への影響
脂肪酸には大きく3種類あります。以下に整理します。
種類 | 主な特徴 | 体への影響 | 多く含む食品 |
---|---|---|---|
トランス脂肪酸 | 加工過程で生成 | LDLコレステロール↑ HDLコレステロール↓ 動脈効果リスク↑ | マーガリン、ショートニング、スナック菓子など |
飽和脂肪酸 | 動物性食品中心 | LDLコレステロール↑ 過剰摂取で心疾患リスク↑ | バター、牛肉、ラード、ココナッツオイルなど |
不飽和脂肪酸 | 植物油や魚 | LDLコレステロール↓ 血流改善抗炎症作用など | オリーブオイル、青魚、ナッツ、アボカドなど |
特に不飽和脂肪酸は(オメガ3・6・9)、「体にいい脂」として積極的に取り入れたい成分です。
毎日の食事で青魚やナッツ、オリーブオイルを選ぶことで、自然とバランスのとれた脂質摂取が期待できます。
体に負担をかけにくい脂を味方にして、将来の健康維持や生活習慣病予防につなげていきましょう。
今日からできる!食生活の工夫

「何を食べればいいの?」と思った方に、具体的な工夫を紹介します。
- マーガリン → オリーブオイルやバターに置き換え
- スナック菓子 → 摂取は週1回程度に制限
- 青魚(サバ・イワシ)やナッツを毎日の食事にプラス
- 加工食品を買うときは成分表示を必ずチェック
“減らす”より“置き換える”がポイントです。無理なく継続できる工夫が、未来の健康につながります。
まとめ
トランス脂肪酸を完全にゼロにするのは難しいですが、知識を持って選択するだけで健康リスクを減らせます。
- コレステロール値が気になる人は、日常的に食品表示をチェック
- 不飽和脂肪酸を意識して摂取
- 世界の規制状況も参考にしつつ、まずは身近な食事から改善
「食べ方の工夫」がコレステロール値改善の第一歩です。無理のない範囲で取り組んでみましょう。
参考文献
- 【教えて!森田さん 食の安全・安心】トランス脂肪酸の 最新動向 京都生協(コープ/COOP)
- トランス脂肪酸が腸内環境を悪化させる?身体に悪い理由とは 株式会社KINS
- 飽和脂肪酸やトランス脂肪酸 なーさん