生活習慣病
夏に上がった尿酸値、秋から整える習慣とは?
「自覚症状がない」のが落とし穴。健康診断で尿酸値をチェックしよう
尿酸値は、体内で生成される老廃物である「尿酸」の血中濃度を示します。
通常、尿酸は腎臓を通して尿として排泄されますが、過剰に溜まると体内で結晶化し、痛風や他の健康問題を引き起こすことがあります。
しかし、尿酸値が高くなることは、自覚症状がない場合が多いため、気づかないうちに進行していることが少なくありません。
尿酸値ってどんな値?正常値と高値の基準

自覚症状がないまま進行するケースが多い理由
尿酸値が高くても、自覚症状が現れにくいため、放置されがちです。
痛風が発症するまで気づかないこともあり、健康診断でのチェックが不可欠です。
痛風の発作は突然発生することが多いため、その前に尿酸値を把握し、早期に対処することが重要です。
ビールと尿酸値の深い関係
尿酸値が上がる原因はさまざまですが、その中でもビールは特に尿酸値に影響を与える代表的な飲み物です。
ビールに多く含まれる「プリン体」とは?
ビールに多く含まれるプリン体は、体内で尿酸に変わります。
プリン体が多い食品を摂取すると、その分尿酸の生成が増加し、血液中に溜まってしまいます。
ビール1杯あたりには、約10〜12mgのプリン体が含まれており、これが尿酸値を押し上げる原因となります。
ビールと他のお酒、尿酸値への影響の違い
ビールに比べて、ワインや焼酎、ウイスキーなどの蒸留酒はプリン体が少ないため、尿酸値への影響は比較的少ないとされています。
しかし、どの種類のお酒も過度に摂取すると、肝臓や腎臓に負担がかかり、尿酸値が上がる原因となるため、適度な飲酒が推奨されます。
痛風発作だけじゃない!尿酸が引き起こす病気
尿酸値が高いと、痛風を引き起こすだけでなく、他の病気のリスクも高まります。
尿酸値を高く放置しておくと、体内でさまざまな合併症を引き起こす原因となります。
腎臓にも影響?尿路結石との関係
尿酸は血液を通じて腎臓に運ばれ、最終的に尿として排出されますが、尿酸の濃度が高くなると、尿酸結晶が腎臓に沈着し、尿路結石を引き起こす可能性があります。
尿酸結石は腎臓に痛みを引き起こすだけでなく、腎機能の低下を招くこともあります。
これにより、腎不全などの重大な健康問題に繋がることもあります。
他の生活習慣病との関連性(高血圧・糖尿病など)
尿酸値が高いことは、高血圧や糖尿病などの生活習慣病とも関連しています。
高尿酸血症は、血管に炎症を引き起こし、動脈硬化や心血管疾患のリスクを高めることが知られています。
これらの病気は、尿酸値の上昇が引き金となって進行する場合もあります。
尿酸値ってどんな値?正常値と高値の基準
尿酸値が高い人には、共通する生活パターンがあります。
特に、夏場の飲酒や脱水が尿酸値を高くする要因となります。
夏場の飲酒+脱水でリスクが高まる?
夏の暑さで汗をかきやすくなるため、脱水状態になりがちです。
脱水は血液が濃縮され、尿酸の排出が減少するため、尿酸値が上昇しやすくなります。
また、暑さによるビールやアルコール摂取が増えることで、さらに尿酸値が高くなる可能性があります。
その生活習慣が尿酸値を高くしているかも?(運動不足・不満・ストレス・睡眠不足)
運動不足や不規則な生活も尿酸値に影響します。
運動が不足すると、代謝が低下し、尿酸の排出が妨げられるため、尿酸が体内に蓄積されやすくなります。
また、睡眠不足やストレスが続くと、体内のホルモンバランスが崩れ、尿酸値が上昇することがあります。
習慣改善を続けるコツは「ゆるやかに」「継続的に」
尿酸値を改善するためには、無理なダイエットや急激な生活習慣の改善ではなく、ゆるやかな改善と継続的な努力が大切です。
運動を習慣化する
厚生労働省は、健康維持のために週150分以上の有酸素運動を推奨しています。
軽いウォーキングやジョギングを日常に取り入れるだけでも、尿酸の排出を促進し、尿酸値の低下に繋がります。
また、運動によって体重をコントロールすることも、尿酸値の安定に役立ちます。
休肝日を設ける
また、休肝日を設けることも有効です。
連日の飲酒は尿酸値を急激に上昇させる原因となりますが、週に1〜2回の休肝日を設けることで、尿酸の排泄が促進され、健康維持に役立ちます。
ストレス管理と睡眠の質を改善
ストレス管理や質の良い睡眠を確保することも重要です。
ストレスが溜まると、体内で尿酸が過剰に生成されやすくなります。
深い睡眠をとることで、体の回復力が高まり、尿酸値のコントロールにも良い影響を与えます。
尿酸値を整えるためには、健康診断で定期的に尿酸値をチェックし、日々の生活習慣を意識的に改善することが大切です。
過度な飲酒を控え、適度な運動と良質な睡眠を取り入れることで、健康的な生活を維持できます。
秋はその習慣を整える絶好のタイミングです。
少しずつ、できることから改善を目指していきましょう。