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健康情報 2025.04.18

薬を正しく飲めていますか?知っておきたい薬剤耐性菌の危険


風邪をひいたときや体調が悪いときに「とりあえず薬を飲めば治る」と考えていませんか?  
実は誤った薬の使い方が「薬剤耐性菌」を生み出し、将来の医療に大きな影響を及ぼす可能性があります。

薬剤耐性菌とは抗菌薬(抗生物質)が効かなくなった細菌のことです。  
もし耐性菌が増え続けると、これまで治療可能だった病気が治らなくなる恐れがあります。  

この記事では薬を正しく服用するために知っておきたいポイントや薬剤耐性菌を増やさないための対策について解説します。

不適切な薬の使用をしていませんか?

「風邪をひいたから抗菌薬を飲んでおけば安心」と思っていませんか?  
実は風邪の原因のほとんどはウイルスであり、抗菌薬はウイルスには効果がありません。  

抗菌薬が効果を発揮するのは、細菌による感染症に対してだけです。
風邪やインフルエンザなどのウイルス感染症に抗菌薬を使っても効果はなく、むしろ薬剤耐性菌を生み出す原因になることがあります。


自己判断で中断・用量を変えて飲んだりしていませんか?

処方された抗菌薬を「症状が治まったから」と途中でやめたり、「多めに飲んだほうが早く治るかも」と自己判断で量を調整したりするのは非常に危険です。  

残った細菌が体内に生き残り、再び増殖する可能性があります。
その際、生き残った細菌が薬剤耐性を持つことがあります。

体に必要以上の負担がかかり、副作用のリスクが高まるだけでなく、耐性菌を生む原因にもなります。  
抗菌薬は、医師の指示に従い、決められた期間・量を守って服用することが大切です。


耐性菌を作る行動をしているかもしれません。薬剤耐性菌とは?

薬剤耐性菌とは抗菌薬が効かなくなった細菌のことです。
本来なら抗菌薬で死滅するはずの細菌が薬の影響を受けにくくなり、治療が難しくなってしまいます。  

主な原因は抗菌薬の不適切な使用です。  
・必要のないときに抗菌薬を使う→ 耐性菌が増える  
・指示通りに服用しない→ 耐性菌が生き残る  
・抗菌薬が広く使われる環境(医療・畜産・農業など)→ 耐性菌が拡散する 

私たち一人ひとりの行動が、薬剤耐性菌の発生・拡大に影響を与えているのです。

薬剤耐性菌ができたらどうなる?治療可能な病気が治らなくなってしまうキケン!

薬剤耐性菌が広がると、以下のような深刻な問題が発生します。

例えば、肺炎や尿路感染症など一般的な細菌感染症に対して抗菌薬が効かなくなると治療が難しくなります。 

手術後の感染症やがん治療に伴う免疫低下時の感染症に対する治療が困難になり、命に関わるリスクが高まります。  

薬剤耐性菌は人から人へ広がるため、国境を超えて感染が拡大する危険性があります。
すでに世界では薬剤耐性菌による死亡者が増えており、今後さらに深刻化する可能性があります。

薬剤耐性菌を作らないために、わたしたちができること

薬剤耐性菌の拡大を防ぐために、私たちが日常生活でできることを紹介します。  

・医師が処方した場合のみ、抗菌薬を使用するようにしましょう。
・処方された抗菌薬は、指示された期間・用量を守って服用しましょう。
・他人の薬をもらったり、残った薬を自己判断で飲んだりしないようにしましょう。

・手洗いや消毒をこまめに行い、感染症を予防しましょう。
・ワクチン接種を受けて、病気にかかりにくい体をつくりましょう。 

・薬剤耐性菌の問題について正しい知識を持ち、不適切な抗菌薬の使用を避けるようにしましょう。

・医療機関、畜産業、食品業界などが協力し、抗菌薬の適正使用を進めていくことが大切です。

薬を正しく使い、未来の医療を守ろう!

薬剤耐性菌の問題は私たちの身近な生活にも大きな影響を与えます。
しかし、適切な抗菌薬の使用や感染予防を徹底することで耐性菌の拡大を防ぐことができます。  

  • 風邪に抗菌薬は不要
  • 抗菌薬は医師の指示どおりに服用する
  • 手洗いやワクチンで感染予防する

この3つを意識し、正しい薬の使い方を心がけましょう!  

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