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胃がんの初期症状11のサイン|痛みの特徴と検査を医師が解説

胃に不快感や痛みを感じても、「ただの疲れだろう」と放置してしまうことはありませんか?
しかし、こうした症状が実は胃がんのサインである可能性もあります。
初期症状に気づかず、病気を見逃してしまう方も少なくありません。
本記事では、胃がんの初期症状と早期発見のポイントについて詳しく解説します。
気になる症状がある場合は、適切なタイミングで医療機関を受診し、早期発見に努めましょう。
胃がんの初期症状11のチェックリスト|当てはまる症状はある?
胃がんは、早期の段階では自覚症状がほとんどないことがあります。一方で、みぞおちの痛み・胃もたれ・胸やけ・食欲不振など、日常的な胃の不調と似た症状が続く場合もあります。
以下のチェックリストは、胃がんの可能性を自己診断するものではありません。ただし、気になる症状が長く続く場合や、黒色便・原因不明の体重減少・貧血などがある場合は、医療機関で相談する目安になります。
国立がん研究センターも、胃がんでは早期に自覚症状がほとんどないことがあり、胃の痛み・不快感・胸やけ・吐き気・食欲不振・貧血・黒い便などが見られる場合があると説明しています。
| No. | 症状 | 詳しい内容 |
| 1 | みぞおちの痛み・違和感 | 鈍い痛みや圧迫感が続く場合があります。胃炎や胃潰瘍でも起こるため、症状が続く場合は注意が必要です。 |
| 2 | 胃の不快感・もたれ | 食後に「胃が重い」「もたれる」と感じる状態が続く場合があります。 |
| 3 | 胸やけ | 胸が焼けるような感覚が出ることがあります。逆流性食道炎などでも起こるため、頻度が増えている場合は相談を検討しましょう。 |
| 4 | げっぷが頻繁に出る | 以前より明らかにげっぷが増えた場合、胃の不調が関係していることがあります。 |
| 5 | 吐き気・嘔吐 | 食後の吐き気が続く、食べていなくても吐き気がある場合は注意が必要です。 |
| 6 | 食欲不振 | 食事が進まない、すぐに満腹になるなどの状態が2週間以上続く場合は受診を検討しましょう。 |
| 7 | 体重減少 | ダイエットをしていないのに体重が減る場合、消化器系の病気が隠れていることがあります。 |
| 8 | 黒色便 | 便が黒く、ドロッとしている場合、胃や十二指腸からの出血が疑われます。早めに医療機関へ相談しましょう。 |
| 9 | 貧血・めまい・ふらつき | 胃からの慢性的な出血によって、貧血やふらつきが起こることがあります。 |
| 10 | 背中の痛み | 胃の不調とあわせて背中の痛みが続く場合、消化器系の病気が関係していることがあります。 |
| 11 | 腹部のしこり・お腹の張り | お腹の張りや違和感が続く場合は、自己判断せず医師に相談しましょう。 |
・0個:現時点で緊急性は低いと考えられますが、ピロリ菌感染歴や家族歴がある方は定期的な健診を検討しましょう。
・1〜2個:1つでも2週間以上続く症状がある場合は、内科または消化器内科への相談を検討してください。
・3個以上:早めに医療機関を受診し、医師に相談しましょう。
・黒色便・原因不明の体重減少・貧血のいずれかがある場合:個数に関係なく、速やかに医療機関へ相談してください。
※このチェックリストは医療診断ではありません。胃がんの確定診断には、医師の診察や胃カメラ検査などが必要です。
※これらの症状は、胃潰瘍・十二指腸潰瘍・逆流性食道炎・機能性ディスペプシアなどでも見られます。
胃がんとは?

胃がんとは、胃壁の粘膜に存在する細胞が異常増殖し、がん化する病気です。
進行すると、胃壁の中へ広がり、やがて周囲の臓器やリンパ節、肝臓、腹膜などに転移する可能性があります。
胃がんの主な原因
胃がんの発生には、以下の要因が関与していると考えられています。
・ヘリコバクター・ピロリ菌感染
ピロリ菌に感染していると、胃がんのリスクが高まることが知られています。
特に日本では、中高年の感染率が高いとされています。
・食生活の影響
塩分の過剰摂取や、野菜・果物の不足がリスクを高める要因とされています。
・喫煙
たばこに含まれる有害物質が胃の粘膜を刺激し、がんの発生リスクを上昇させることが指摘されています。
胃がんの初期症状とは?自覚しにくいサインに注意

胃がんの初期症状は多岐にわたります。以下の内容を把握しておきましょう。
| 胃がんの 初期症状 | 概要 |
|---|---|
| 胃の痛み・違和感 | 胃がんが大きくなると、次第に胃の痛みや違和感が生じる。 |
| 胃もたれ・胸やけ | 腫瘍が大きくなるにつれて胃の動きが悪くなり、胃酸が逆流して胸やけや胃もたれが起こる。 |
| 嘔吐・吐き気 | 胃の出口近くに腫瘍ができると、十二指腸への食べ物の通りが悪くなり、嘔吐や吐き気が起こる。 |
| 食事がつかえる | 胃の入口付近に腫瘍ができると胃と食道の境目が狭くなり、食べ物が通過しにくくなって飲食時に胸につかえる感覚が起こる。 |
| 黒い便・吐血 | 胃がんが進行すると、腫瘍から出血が起こり、黒い便や吐血につながる。 |
| 倦怠感・貧血 | 胃がんになると、慢性的な出血が起こり、貧血や倦怠感につながる。 |
| 食欲不振・体重減少 | 胃がんが進行すると、消化器系に影響が出てしまい、食欲不振・体重減少につながる。 |
症状がなくても油断は禁物!定期的な検診の重要性
胃がん治療で最も重要なことは、早期発見です。
早い段階で胃がんを発見できれば、内視鏡的切除術による治癒が可能となり、完治の確率も高まります。
胃がん検診で行われる主な検査方法は以下のとおりです。
胃カメラ(内視鏡検査)
カメラが付いた柔軟な管を口または鼻から挿入し、胃の内部を直接観察する検査です。
必要に応じて組織を採取し、病理検査を行うこともできます。
この方法は胃がんや胃炎の早期兆候を把握しやすく、制度が高いのが特徴です。
ただし、体への負担が大きいと感じる方もいるため、鎮静剤を使用して負担を軽減することも可能です。
胃バリウム検査
バリウムを飲み、胃をコーティングし、レントゲン撮影することで異常を検出する検査方法です。
内視鏡検査よりも手軽に受けられますが、病変の詳細な観察が難しく、感度がやや劣るとされています。
そのため、より正確な診断を求める場合は、胃カメラ検査が推奨されます。
胃がんの早期発見に役立つピロリ菌検査と胃カメラ検査
胃がんの早期発見には、症状の有無だけで判断せず、検査を受けることが大切です。特にピロリ菌感染は胃がんリスクと関係があるとされており、感染歴がある方や家族に胃がんの方がいる場合は注意が必要です。
ここでは、ピロリ菌検査・胃カメラ検査・胃がん検診について解説します。国立がん研究センターの研究では、ピロリ菌陽性者では胃がんリスクが高いことが報告されています。
ピロリ菌と胃がんの関係
| 項目 | 内容 |
| ピロリ菌とは | 正式名称はヘリコバクター・ピロリです。胃の粘膜に住みつく細菌で、慢性胃炎・胃潰瘍・胃がんのリスクと関係するとされています。 |
| 胃がんとの関係 | ピロリ菌感染は胃がんのリスクを高める要因の一つとされています。ただし、感染しているからといって必ず胃がんになるわけではありません。 |
| 感染経路 | 主に口から入って感染すると考えられています。衛生環境が整っていなかった時代の水や家族内感染が関係することがあります。 |
| 検査方法 | 血液検査・尿素呼気試験・便中抗原検査・胃カメラでの組織検査などがあります。 |
| 除菌治療 | 医師の判断のもと、抗生物質と胃酸を抑える薬を組み合わせて行われます。除菌の必要性や方法は医師に相談しましょう。 |
胃カメラでわかること
| 項目 | 内容 |
| わかる病気 | 胃がん・食道がん・十二指腸がん・胃潰瘍・十二指腸潰瘍・逆流性食道炎・慢性胃炎・ポリープ・ピロリ菌感染などを確認できます。 |
| 検査の流れ | 前日夜から食事制限を行い、検査当日は口または鼻から内視鏡を挿入します。検査時間は施設や検査内容によって異なります。 |
| 対象年齢 | 厚生労働省は、胃がん検診について50歳以上を対象に2年に1回の実施を指針で示しています。(厚生労働省) |
| 費用の目安 | 保険適用か自費検査か、鎮静剤や組織検査の有無によって異なります。詳しくは受診する医療機関で確認しましょう。 |
| バリウム検査との違い | 胃カメラは胃の粘膜を直接観察でき、必要に応じて組織検査を行える点が特徴です。バリウム検査は集団検診で行われることがあります。 |
胃がん検診を受けるべき人
以下に当てはまる方は、症状の有無にかかわらず、胃がん検診や胃カメラ検査を検討しましょう。
・ピロリ菌に感染している、または過去に感染していた方
・家族に胃がんの既往がある方
・50歳以上の方
・喫煙習慣がある方
・塩分の多い食事が続いている方
・過去に胃潰瘍・慢性胃炎の診断を受けたことがある方
・みぞおちの痛み・胸やけ・食欲不振などの症状が2週間以上続いている方
スキルス胃がんとは?若年女性にも見られる特殊な胃がん
スキルス胃がんは、胃の壁の中を広がるように進行する特殊なタイプの胃がんです。胃の表面に目立つ病変を作りにくいことがあり、検査で見つけにくい場合もあるとされています。
通常の胃がんと同じように、みぞおちの痛み・胸やけ・食欲不振などが見られることがありますが、初期には症状がはっきりしないこともあります。気になる胃の不調が続く場合は、年齢や性別にかかわらず医療機関へ相談しましょう。
| 項目 | 内容 |
| スキルス胃がんとは | 胃の壁の中を広がるように進行する特殊なタイプの胃がんです。 |
| 特徴 | 胃の表面に明確な腫瘍を作りにくく、発見が難しい場合があります。 |
| 好発年齢・性別 | 若い世代や女性で話題にされることがありますが、正確なリスクは医師や公的情報をもとに確認が必要です。 |
| 初期症状 | みぞおちの違和感・胸やけ・食欲不振・胃もたれなど、一般的な胃の不調と似た症状が出ることがあります。 |
| 診断・検査 | 胃カメラだけで判断が難しい場合もあり、必要に応じて組織検査や画像検査などを組み合わせます。 |
| 注意すべきサイン | 胃の症状が長く続く、家族歴がある、体重減少や貧血がある場合は、自己判断せず医師に相談しましょう。 |
スキルス胃がんは、芸能人の方の発症報告などで注目されることがありますが、特定の個人を引き合いに出す必要はありません。
「若いから大丈夫」「女性だから胃がんになりにくい」と自己判断せず、胃の不調が長く続く場合は、消化器内科で相談することを検討しましょう。
女性の胃がん|年代別リスクと見逃しやすいサイン
胃がんは男性に多い傾向がありますが、女性にも起こる病気です。特に、胃の不快感や食欲不振、疲れやすさなどは、更年期症状やストレスによる不調と似ていることがあり、見逃される場合があります。
女性であっても、胃の症状が長く続く場合や、黒色便・体重減少・貧血などがある場合は、自己判断せず医療機関へ相談しましょう。国立がん研究センターの胃がん統計では、胃がんの罹患率・死亡率は男女別に公表されています。必要に応じて最新統計を確認してください。
女性の胃がん罹患率と年代別リスク
・20〜30代女性:罹患数は多くありませんが、胃の不調が長く続く場合は自己判断しないことが大切です。
・40〜50代女性:胃の不調を更年期やストレスと考えやすい時期です。症状が続く場合は検査を検討しましょう。
・60代以上女性:胃がんのリスクが高まる年代です。定期的な胃がん検診を意識しましょう。
女性が見逃しやすい胃がんのサイン
- 食欲不振や胃の不快感を「更年期のせい」と考えてしまう
- 貧血を「鉄分不足」と思い込み、胃からの慢性的な出血に気づきにくい
- ストレス性の胃痛として長期間放置してしまう
- 家事や仕事を優先し、検査を後回しにしてしまう
- 妊娠中・授乳中などで検査をためらい、相談が遅れることがある
女性の胃がんは、症状だけで判断することが難しい場合があります。特に、胃の不調が2週間以上続く場合や、体重減少・黒色便・貧血などがある場合は、早めに医師へ相談しましょう。
胃がんの痛みの特徴|みぞおち・背中・食後・空腹時の違い
胃がんの痛みは、みぞおちの違和感や鈍い痛みとして現れることがあります。
ただし、早期胃がんでは痛みがないことも多く、「痛みがないから胃がんではない」とは判断できません。
ここでは、胃がんで見られることがある痛みの特徴と、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などとの違いを整理します。
| 痛みの場所・タイプ | 発生のタイミング | 詳しい特徴 |
| みぞおちの痛み | 断続的・不定期 | 鈍い痛みや圧迫感が出ることがあります。食事との関連がはっきりしない場合もあります。 |
| 背中の痛み | 胃の不調と同時に出ることがある | 胃の症状に加えて背中の痛みが続く場合は、消化器系の病気が関係している可能性があります。 |
| 食後の痛み | 食後30分〜1時間以内 | 胃潰瘍でもよく見られる症状です。食後の痛みが続く場合は受診を検討しましょう。 |
| 空腹時の痛み | 食前・夜間 | 十二指腸潰瘍で見られやすい症状ですが、胃の不調が続く場合は自己判断しないことが大切です。 |
| 痛みなし | 症状がないケース | 早期胃がんは無症状のこともあります。痛みがなくても、定期的な胃がん検診が重要です。 |
胃がんと胃潰瘍・十二指腸潰瘍の痛みの違い
| 疾患 | 痛みの場所 | 発生のタイミング | 痛みの性質 |
| 胃がん | みぞおち・背中 | 断続的なことがある | 鈍い痛み・圧迫感 |
| 胃潰瘍 | みぞおち | 食後30分〜1時間 | 焼けるような痛み |
| 十二指腸潰瘍 | みぞおち〜右上腹部 | 空腹時・夜間 | 鋭い痛み・キリキリする痛み |
| 逆流性食道炎 | 胸〜のど | 食後・横になった時 | 焼けるような感覚 |
| 機能性ディスペプシア | みぞおち | 食後・空腹時どちらもある | もたれ・張り・鈍痛 |
胃がんでも痛みがないケースがある
早期胃がんは、自覚症状がほとんどないことがあります。痛みや不快感がない場合でも、ピロリ菌感染歴や家族歴がある方、50歳以上の方は、定期的な胃がん検診を検討しましょう。
「痛みがないから大丈夫」と考えず、気になる症状が続く場合や健診で異常を指摘された場合は、医療機関へ相談することが大切です。
胃がんと他の胃の病気の違いは?見分けるポイント
しかし、お腹の痛みは、胃潰瘍や十二指腸潰瘍でもみられるため、症状だけで判断するのは難しいこともあります。
胃がんと胃潰瘍・十二指腸潰瘍の大きな違いは、痛みの箇所にあります。
・胃がんの場合
背中に痛みを感じることがあり、加えて激しい腹痛や体重減少がみられることがあります。
・胃潰瘍や十二指腸潰瘍の場合
みぞおちに鈍い痛みが生じ、胃酸が傷口にしみるような痛みを伴うことが特徴です。
特に空腹時や食後に痛みが強くなる傾向があります。
このように、痛みの場所や痛み方に違いがあるため、気になる症状が続く場合は早めに医療機関を受診しましょう。
早期発見がカギ!胃がんを防ぐための生活習慣とは

胃がんを予防するためには、日々の生活習慣を整え、胃に負担をかけないことが大切です。
以下の習慣を意識し、胃がんのリスクを下げましょう。
規則正しい食事
胃腸に負担をかけないためには、規則正しい時間に食事を摂ることが重要です。
食後すぐに横にならず、腹八分目を意識して食べ過ぎを防ぎましょう。
また、胃に負担のかかる油っこい食事や唐辛子、塩分の摂取を控えることも大切です。
適度な運動
過度な運動は消化機能を促進し、胃腸の健康を保つのに役立ちます。
特にウォーキングは効果的で、目安として、週に1〜2日、1日に8,000歩程度を歩くと健康維持につながるでしょう。
十分な睡眠時間を確保する
睡眠不足は胃腸の働きに悪影響を与えるため、1日7時間前後の睡眠を確保することが推奨されます。
質の良い睡眠をとることで、胃の回復を促しましょう。
気になる症状が続く場合は胃カメラ検査も検討しましょう

胃痛や胃部不快感、吐き気や吐血・黒色便、食欲不振や腹部膨満感などがみられる場合は、速やかに医療機関を受診し、適切な検査を受けることが重要です。
当院では、胃カメラや胃ドックといった検査を実施しています。
早期発見・早期治療につなげるためにも、気になる症状がある場合は、躊躇することなく検査を受けることをおすすめします。