健康診断
就職前に健康診断は必要?費用や項目、どこで受けられるかを解説
入社前健康診断は、就職先から案内が届いたら、まず受診先と提出期限を確認することが重要です。
会社指定の医療機関がある場合もあれば、自分で予約するケースもあります。
この記事では、入社前に受ける健康診断の基本から費用・注意点・内定への影響など、気になる疑問までまとめて確認できます。ぜひ参考にしてください。
就職が決まったら雇入れ時に健康診断を受ける必要がある

就職が決まったあとに案内される健康診断は、一般的に雇入れ時健康診断を指します。
雇入れ時健康診断が必要かどうかは、働き方や契約内容によって判断されますが、正社員として入社する場合は求められることが多いです。
提出期限が短いこともあるため、案内を受けたら早めに受診の準備を進めましょう。
入社前健康診断の対象者
入社前健康診断は、正社員であれば常時就労している全員が実施対象者です。
契約社員やパート・アルバイトであっても、「契約期間が1年以上」「週の労働時間が正社員の4分の3以上」の条件を満たす場合は対象になるのが一般的です。
反対に、短期間の雇用や労働時間が少ない働き方の場合は、実施されないこともあります。
就職先から案内が届いたら、まずは健康診断の対象と考えて準備を進めるのが確実です。
判断に迷う場合は自己判断せず、人事担当者に受診の要否を確認しておきましょう。
入社前健康診断を受ける時期
入社前健康診断を受ける時期は、会社から指定された提出期限を考慮して決める必要があります。
入社日直前に予約しようとしても、医療機関の予約状況によっては、希望日に受けられない可能性があります。
さらに、健康診断書は当日発行ではなく、数日から1週間ほどかかる医療機関が多いです。
余裕を持って進めるなら、案内を受けたら早めに受診先を決め、遅くとも提出期限の1〜2週間前には受診することをおすすめします。また、再検査や追加書類が必要になる可能性もあるため、ぎりぎりの受診は避けたほうがよいでしょう。
入社前健康診断はどこで受けられる?

入社前健康診断の受け方には、大きく分けて以下の2つのケースがあります。
- 会社指定の医療機関で受けるケース
- 自分で医療機関を予約して受けるケース
どちらの方法でも受診できますが、必要な検査項目や提出書類の形式が会社の指示と合っていないと、取り直しになることがあります。
案内が届いたら、受診する医療機関のほか、必要な検査項目や書類の提出方法など、事前に確認しておきましょう。
会社指定の医療機関で受けるケース
会社指定の医療機関で受けるケースでは、必要な検査項目や書類の形式がそろいやすいため、手続きが進めやすいです。
会社側が提出条件を把握しているため、項目不足や書式違いが起こりにくい点もメリットです。
一方で、予約枠が限られていたり、自宅や現住所から通いにくかったりすることがあります。
会社指定の医療機関が案内されている場合は、まず予約の取り方や検査結果の受け取り方法を確認しましょう。
自分で医療機関を予約して受けるケース
自分で医療機関を予約して受けるケースでは、通いやすさや費用を比較しながら受診先を選べます。
近くのクリニックや健診センターを使えるため、比較的日程調整がしやすい利点があります。
ただし、企業が求めている検査項目を満たさなければ、再受診が必要になる可能性があるため、事前に双方の検査項目を確認しておきましょう。
予約前には、就職先から指定された検査内容と、健康診断書の様式を手元にそろえておくことが重要です。
医療機関へ問い合わせる際も、雇入れ時健康診断であることを伝えるとスムーズに進められます。
入社前健康診断における検査項目

入社前健康診断では、決められた検査項目を正しく受診することが重要です。
健康診断の項目は医療機関ごとに多少案内が異なることがありますが、雇入れ時に健康診断として求められる内容には一定の基準があります。
労働安全衛生規則で定められている、雇入時や定期の健康診断における法定項目は、以下の11項目です。
| 検査項目 | 内容 |
| 既往歴および業務歴の調査 | 労働者が過去に患った疾患 粉じん・化学物質・深夜業等の作業環境 |
| 自覚症状および他覚症状の有無の検査 | 医師が視診、触診、聴診等を通じて身体的異常や主観的な不調を医学的に検証 |
| 身体計測等 | 身長、体重、腹囲、視力および聴力の検査 |
| 胸部エックス線検査 | 肺結核、肺炎、肺がん等の呼吸器疾患や心肥大等のスクリーニング |
| 血圧の測定 | 最高血圧・最低血圧を測定し、脳血管疾患や心疾患のリスク要因である高血圧症を判定 |
| 貧血検査 | 赤血球数(RBC)、血色素量(Hb)を測定し、酸素運搬能力等を評価 |
| 肝機能検査 | GOT(AST)、GPT(ALT)、 $\gamma$ -GTPを測定し、肝細胞の損傷等を評価 |
| 血中脂質検査 | LDL、HDL、中性脂肪を測定し、脂質代謝異常や動脈硬化リスクを評価 |
| 血糖検査 | 空腹時血糖、HbA1c、または随時血糖を測定し、糖代謝異常を早期発見 |
| 尿検査 | 尿中の糖および蛋白の有無を調べ、糖尿病や腎機能障害等をスクリーニング |
| 心電図検査 | 安静時の電気的活動を記録し、不整脈や虚血性心疾患の疑いを検出 |
検査項目は省略できる?
入社前健康診断における検査項目は、自己判断で省略してはいけません。
会社が必要とする項目が1つでも欠けると、健康診断書を受け付けてもらえない可能性が高いです。
雇入れ時健康診断では年齢等による項目の省略は認められておらず、原則として法定の11項目すべての受診が必要です。
例外として、入社前3ヶ月以内に受診した健康診断結果を提出できる場合に限り、重複する項目を省略することが可能です。
費用を抑えたい場合も、まずは就職先と医療機関に必要項目を確認し、指定どおりに受けることが大切です。
定期健康診断との違い
入社前健康診断と定期健康診断は、どちらも働く人の健康状態を確認するためのものですが、目的と実施のタイミングが異なります。
入社前健康診断は、雇い入れた際の適正配置や、入職後の健康管理に役立てるために行われます。
一方で、定期健康診断は入社後に継続して健康管理を行うための健診です。
受診済みの定期健康診断の結果で代用できる場合もありますが、法律により「入社前3ヶ月以内に受診したもの」と条件が定められています。
期間の条件を満たしていても、雇入れ時に必要な法定項目が欠けている場合は追加受診が必要です。
以前の検査結果が代用可能かどうかは自己判断せず、事前に人事担当者へ確認しておきましょう。
入社前健康診断にかかる費用

入社前健康診断の実施は、法律により企業側に義務付けられているため、健診費用は原則として会社負担となります。
案内文に費用負担の記載がないと不安になりやすいですが、自費になると決めつけず、まずは会社に確認してみましょう。
ただし、会社が指定する医療機関以外での受診を希望する場合は、例外的に自己負担となるケースもあります。
実際の金額は受診する医療機関によって異なりますが、1万円前後になることが多いです。
また、会社が負担する場合でも、窓口で一時的に立て替え払いをして、後日清算するケースもあります。
受診前に費用の負担区分、上限額、領収書の要否などを確認しておくと安心です。
入社前健康診断を受ける際の注意点

入社前健康診断を受ける際には、以下の2点に注意が必要です。
- 入社前健康診断には保険は適用されない
- 検査結果はすぐに受け取れないことがある
以下で順番に解説します。
入社前健康診断には保険は適用されない
入社前健康診断は病気の診療ではなく、労働安全衛生規則に基づく就職時に必要な健康診断として扱われるため、原則として保険適用外です。
そのため、窓口では自由診療として全額自己負担になることがあります。
あとから会社が補助する場合もありますが、医療機関での支払い時点ではいったん本人が立て替えるケースも少なくありません。
費用トラブルを防ぐためには、受診前に会社へ負担方法を確認し、領収書が必要かどうかまで聞いておくと安心です。
検査結果はすぐに受け取れないことがある
入社前健康診断を受診しても、検査結果はすぐに受け取れないことがあります。
検査後すぐに結果を受け取れない理由は、血液検査や胸部X線など、判定に時間を要する項目があるためです。
検査結果は一般的に自宅に郵送されるケースが多いため、通常は検査を受けた日から受け取りまで10日程度を見込んでおくとよいでしょう。
会社への提出期限が迫ってから受診した場合、検査結果の完成が間に合わないおそれがあるため、注意が必要です。
受診予約を取るときは、検査結果の発行日数、受け取り方法、再検査が必要になった場合の流れまで確認しておくと安心して進められます。
就職前の健康診断でよくある質問

この章では、就職前の健康診断でよくある質問として以下の5つをご紹介します。
順番に回答しますのでぜひ参考にしてください。
- 健康診断をまだ受けていないまま入社日が近いときはどうする?
- 入社前健康診断で異常があったら入社できない?内定取り消しになる?
- 健康診断書はコピーでも提出できる?
- アルバイトや契約社員も入社前の健康診断を受ける必要がある?
- 検査で異常が見つかった場合は会社にどこまで伝わる?
健康診断をまだ受けていないまま入社日が近いときはどうする?
健康診断を未受診のまま入社日が近いときは自己判断で放置せず、すぐに会社へ相談することが大切です。
雇入時健康診断は事業者に実施義務がありますが、実務では入社前に受診して結果を提出するよう案内されることが多くあります。
予約が取れない、結果の発行が間に合わないといった事情がある場合は、受診予定日を伝えたうえで、入社後提出でよいか確認しましょう。
先に連絡しておけば、提出期限や代替書類の扱いを案内してもらえることがあります。
入社前健康診断で異常があったら入社できない?内定取り消しになる?
入社前健康診断で異常があったからといって、直ちに入社できなくなるとは限りません。
健康診断の目的は、業務に必要な配慮や受診の必要性を確認することにあります。
たとえば、再検査や治療の案内につながることはありますが、数値の異常が出たことだけで一律に判断されるものではありません。
実際には、異常の内容、業務への影響、就業上の配慮の必要性などを個別に見ていくことになります。
結果に不安がある場合は、会社へ提出する前に医療機関で説明を受け、必要に応じて人事担当者へ相談するとよいでしょう。
健康診断書はコピーでも提出できる?
健康診断書をコピーで提出できるかどうかは、会社ごとのルールによります。
会社によっては原本提出を求められますし、コピー可としている場合もあります。
提出後に返却されないこともあるため、再利用したい事情があるなら、事前確認が欠かせません。
会社案内に記載がない場合は、原本が必要か、コピー提出でよいか、返却の可否はどうかを人事担当者へ確認しておくと安心です。
医療機関によっては追加料金で複数枚発行できることもあるため、提出先が複数ある場合は受診時に相談しておきましょう。
アルバイトや契約社員も入社前の健康診断を受ける必要がある?
厚生労働省の資料では、アルバイトや契約社員でも、以下の条件に該当する場合は健康診断の実施が必要と示されています。
- 「契約期間が1年以上見込まれること」
- 「通常の労働者の所定労働時間の4分の3以上働くこと」
自分は対象外だと決めつけず、雇用条件と会社案内を照らし合わせて確認することが大切です。
検査で異常が見つかった場合は会社にどこまで伝わる?
検査で異常が見つかった場合でも、会社に伝わる情報は無制限ではありません。
健康診断の結果は、本人の健康管理や就業上の配慮に必要な範囲で取り扱われるべき情報です。
厚生労働省は、健康診断の結果や病歴などの健康情報を「要配慮個人情報」にあたる機微な情報として位置づけています。
企業には、健康確保の目的に必要な範囲で情報を保管し、使用することが求められます。
気になる場合は、提出先が人事部なのか、産業医経由なのか、結果票のどこまで提出が必要なのかを確認しておくと安心です。
就職前の健康診断は項目と期限を確認して早めに動こう

就職前の健康診断は、案内が届いたらすぐに項目と提出期限を確認することが大切です。
雇入れ時の健康診断は、企業が常時使用する労働者を雇い入れる際に実施する健康診断として位置づけられています。
受診先が自由に選べる場合でも、必要項目が不足すると再受診になるおそれがあります。
さらに、健康診断書の発行には数日かかることもあるため、入社日直前の受診は負担が大きくなりやすいです。
会社からの案内や必要書類のほか、費用負担の有無などを事前に確認し、余裕を持って予約を進めることが、手間なく終える近道です。
入社前健康診断は、早めに確認して動けば必要以上に不安になる手続きではありません。
会社の案内を手元に置いたうえで、受診先、検査項目、提出期限の3点を先に整理し、余裕を持って予約を進めましょう。
健診を利用して確かな診察と治療を
セルフケアは大切ですが、症状が進んでいる場合には、日々のケアだけでは不十分なこともあります。また、自覚症状がないうちに、思いのほか進行しているケースも少なくありません。
まずは検査を通じて、ご自身の体の状態を客観的に知ることから始めましょう。正確な診断に基づいた治療を行うことで、よりスムーズな改善が期待できます。当院では個人の方の健診予約も簡単に行えますので、少しでも不安を感じる方は、下記のボタンより詳細をご確認ください。