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健康情報 2025.06.13

健康長寿のカギは腸内環境!話題の“腸活”とは

近年「腸活」という言葉を耳にする機会が増えています。
腸内環境を整えることが健康や美容に良い影響をもたらすとして注目され、実際に多くの人が取り組み始めています。

そもそも腸活とは、腸内にすむ細菌のバランス=「腸内フローラ(腸内細菌叢)」を整え、健やかな腸内環境を保つための取り組みのことです。

本記事では、腸内環境を整えることのメリットや腸内フローラの基礎知識、さらに腸活に役立つ食事のポイントについて解説します。
今日から実践できる腸活のヒントも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

腸内環境を整えることのメリット

腸は「第二の脳」とも言われ、全身の健康と深く関わっています。
そのため、腸内環境を改善すると体調やメンタルに様々な良い変化が期待できます。
主なメリットは次のとおりです。

  • 便秘・下痢の改善と肥満予防
    腸内環境が整うとお通じがスムーズになり、便秘や下痢になりにくくなります。
    スムーズな排便により老廃物が腸内に滞留しにくく、太りにくい体質づくりにもつながります。

  • 免疫力の向上
    人体の免疫細胞の約70%は腸に集まっており、腸内細菌がこれら免疫細胞の働きをサポートしています。
    腸内環境を整えることは、外敵から体を守る「腸管免疫」を活性化し、免疫機能の強化につながります。

  • 代謝アップによる健康維持
    腸での栄養吸収が円滑になることで肝臓など各臓器が活発に働き、基礎代謝が上がります。
    体温も上昇してエネルギーを消費しやすい体質になり、肥満や生活習慣病の予防に役立ちます。

  • 睡眠の質改善・ストレス軽減
    腸内環境が良好だと睡眠ホルモンの分泌が促され、質の高い睡眠を得やすくなるとされています。
    さらに自律神経のバランスが整うため、ストレスの軽減や気分の安定にもつながります。

  • 美肌効果
    腸内環境の悪化は有害物質の増加につながり、肌荒れの原因にもなります。
    逆に腸内環境を良好に保てば不要な物質の排出が促され、肌の調子も改善することが期待できます。

このように、腸内環境を整えることは日々の体調管理から美容まで多岐にわたり効果を発揮します。
健康長寿のためにも、まずは腸を元気にすることが大切なのです。

腸内フローラってなに?


腸内フローラとは腸内に生息する膨大な数の細菌の集まりのことです。
腸内には約1,000種類・100兆個以上もの細菌が棲みついており、これらがびっしり腸壁に付着している様子がまるでお花畑(flora)のように見えることから「腸内フローラ」と呼ばれています。

腸内フローラを構成する細菌は、その働きによって大きく3種類に分類されます。
それが善玉菌(体に良い働きをする菌)、悪玉菌(体に悪影響を及ぼす菌)、そしてどちらにも属さない日和見菌です。
腸内環境の良し悪しは、これら善玉菌・悪玉菌・日和見菌のバランスによって決まります。

善玉菌が優勢で悪玉菌が少ない状態が「腸内環境が良い状態」とされ、健康的な人の腸内では
善玉菌2割:悪玉菌1割:日和見菌7割程度の割合が理想とされています。
善玉菌にはビフィズス菌や乳酸菌などが含まれ、腸の運動を促したり外部から侵入する病原菌の増殖を抑えるなど、腸内を整える上で欠かせない存在です。

一方の悪玉菌はウェルシュ菌(クロストリジウム)などが代表で、腸内で有害物質を作り出し便秘や下痢など体調不良の原因となります。
つまり腸内フローラは、善玉菌優位の状態に保つことが重要なのです。

日和見菌とは

「日和見菌」という言葉は厳密な学術用語ではなく、善玉菌・悪玉菌のどちらにも分類しづらい腸内細菌の総称です。
健康な腸では日和見菌たちはおとなしく善玉菌に味方して共生しています。

しかし、体調不良や加齢、ストレスなど何らかの原因で腸内環境が乱れ善玉菌が減少すると、日和見菌が一転して悪玉菌のように振る舞い増殖し、有害物質を発生させてしまうことがあります。
例えばクロストリジウム・ディフィシル(ディフィシル菌)は普段は無害ですが、抗生物質の使用などで腸内フローラのバランスが崩れると異常増殖し、腸炎や激しい下痢を引き起こす代表的な日和見菌です。

このように日和見菌は環境に応じて善玉にも悪玉にも転じ得る存在であり、腸内フローラ全体のバランスを維持することがいかに大切かを物語っています。
善玉菌が優位な状態であれば日和見菌も味方になります。
しかし、悪玉菌が優勢になると日和見菌まで含めた“総悪玉化”が進み、腸内環境は一気に悪化してしまうのです。

腸内環境をよくする食事

腸内細菌のバランスは日々の食生活によって大きく影響を受けます。
腸内環境を整えるには、善玉菌を直接摂り入れる食品と善玉菌のエサになる食品の両方をバランスよく取りましょう。

前者は乳酸菌やビフィズス菌など生きた善玉菌を含む発酵食品(いわゆるプロバイオティクス)で、後者は善玉菌を増やすもとになる食物繊維やオリゴ糖(プレバイオティクス)です。
これらを意識して日々の食事に取り入れることで、腸内フローラのバランス改善が期待できます。


具体的に腸内環境によい食事のポイントをいくつか挙げます。

  • 発酵食品を積極的にとる
    ヨーグルトやチーズ、味噌、納豆、漬物(キムチ・ぬか漬け)などの発酵食品には、乳酸菌や酵母菌、麹菌、酢酸菌などの善玉菌が豊富に含まれています。
    これらを毎日の食事に積極的に取り入れることで、腸に有用な菌を補給することができます。
    例えば朝食に野菜たっぷりの味噌汁を一杯飲むのは、発酵食品と食物繊維を同時に摂れる最強の腸活メニューです。

  • 食物繊維を豊富に摂る
    野菜、果物、豆類、きのこ類、海藻類、全粒穀物(オートミールや玄米など)には食物繊維が多く含まれます。
    食物繊維は腸の働きを活発にし、有害物質や余分なコレステロールの排出を助けるだけでなく、腸内で発酵分解されて善玉菌のエサにもなります。
    現代人は食物繊維が不足しがちと言われるため、意識して摂取することが重要です。

  • オリゴ糖を含む食品をとる
    オリゴ糖は善玉菌、とくにビフィズス菌の大好物です。
    大豆製品やゴボウ、タマネギ、ニンニク、バナナ、アスパラガスなどにはオリゴ糖が多く含まれるため、こうした食材を料理に取り入れると腸内のビフィズス菌を効果的に増やすことができます。

なお、暴飲暴食や脂肪分・肉類の摂りすぎは悪玉菌の増殖につながるため控えめにしましょう。
また、適度な運動や十分な睡眠で腸の働きを整えるなど、生活習慣の工夫も腸内環境の改善に役立ちます。
まずは毎日の食事から無理なく始められることから取り組んでみましょう。

乳酸菌・ビフィズス菌をとろう


ヨーグルトは乳酸菌やビフィズス菌を手軽に摂取できる代表的な食品です。
乳酸菌・ビフィズス菌といった善玉菌は腸内環境を整えるうえで要となる存在です。

腸内では乳酸菌やビフィズス菌が乳酸や酢酸などの酸を産生して腸内を弱酸性に保ち、病原性のある菌の繁殖を抑えてくれます。
また、善玉菌は腸のぜん動運動(腸の動き)を適度に促進し、お通じを良くする働きもあります。
こうした善玉菌そのものを食品から取り入れることで、腸内フローラのバランスを善玉菌優勢に傾けることができます。

乳酸菌やビフィズス菌はヨーグルト以外にも、乳酸菌飲料やチーズ、味噌や漬物など様々な発酵食品に含まれています。
市販のヨーグルトには菌株ごとに整腸作用や美容・健康効果をアピールした製品も多く、自分の目的に合わせて選ぶことができます。
毎日コツコツとこうした発酵食品を摂る習慣をつけることで、腸内の善玉菌を増やし腸内環境の改善・維持につながります。

「腸活」は難しい特別なことをしなくても、日々のちょっとした食事や生活習慣の工夫から始められます。
まずは無理のない範囲で腸に良い習慣を取り入れてみてください。
健やかなお腹と体全体の健康長寿を目指して、今日からさっそく腸活を始めてみましょう。

 

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