人間ドック
死因の上位を占める大腸がん!40歳を超えたら1度は健診を受けよう

大腸がんは死因の上位を占めるという事実をご存知でしょうか。
40歳を超えると、大腸がんのリスクが高まり、重症化すると死に至る可能性もあります。
本記事では、大腸がんの原因や症状、検診時の検査などについて解説します。
適切なタイミングで大腸がん検診を受け、予防に努めましょう。
大腸がんによる死亡数は男女ともに上位
大腸がんとは、大腸(結腸・直腸)に発生するがんで、正常な粘膜から直接発生するものと、腺腫と呼ばれる良性のポリープががん化して発生するものに分かれます。
日本人の場合は直腸とS状結腸にがんができやすいのが特徴です。
大腸の粘膜に発生した大腸がんは、少しずつ大腸の壁に深く侵入し、大腸の壁の外にまで広がり、腹腔内に散らばる腹膜播種を引き起こします。
また血液の流れに乗って肺や肝臓といった臓器に遠隔転移したり、大腸の壁の中を流れるリンパ液に乗ってリンパ節転移したりすることもあるでしょう。
大腸がんによる死亡数は男女ともに上位であり、30代半ばから徐々に増え始め、40代半ばから急に多くなるとされています。
大腸がんの原因は?

大腸がんの原因としては、運動不足や野菜・果物の摂取不足、肥満や飲酒などです。
直近20年間で大腸がんによる死亡数は1.5倍に増えており、生活習慣の欧米化(低繊維食や高脂肪)が関係していると考えられています。
また、大腸がんの家族歴がある方や潰瘍性大腸炎が長期化することでも大腸がんのリスクが高まると考えられています。
大腸がんの原因は生活習慣が関係しているケースがありますが、健康的な食生活や運動習慣を始めたとしてもすぐに大腸がんが完治するわけではありません。
治療効果が出るまでには、長時間を要します。
毎年必ずがん検診を受診しながら、ライフスタイルを改善し、早期治療を目指していくことが重要です。
このような症状が出たら検査を受けよう

以下のような症状を感じる場合は、大腸がん検診を受ける必要があります。
大腸がん検診で受けられる検査としては、以下のとおりです。
便潜血検査
便潜血検査とは、便に含まれる微量の血液を検出する検査です。
大きいポリープや大腸がんなどがあると陽性判定が出ます。
簡便な検査ではあるものの、痔からの出血などでも陽性となる点はデメリットです。
適切な受診のタイミングとしては、40歳から1年に1回の定期検査が推奨されています。
大腸内視鏡検査(大腸カメラ検査)
大腸内視鏡検査は、ポリープやがんの早期発見が可能な最も精密な検査です。
初回検査でポリープ切除をした場合は1〜2年後の再検査、異常がなかった場合は2〜3年後の再検査を受ける必要があります。
その後は3〜5年ごとに検査を受けることが大切です。
適切な受診のタイミングとしては、40歳からの定期検査が推奨されています。
CTコロノグラフィー
CTコロノグラフィーは、コンピューター技術を用いて大腸内の構造を立体的に描出し、がんやポリープなどの異常を検出する検査です。
大腸内視鏡検査と同様に下剤を飲む必要がありますが、炭酸ガスを肛門から注入するだけで済むため、比較的痛みや不快感が少ないと考えられています。
CTコロノグラフィーは、内視鏡検査が物理的に困難な場合に検討されます。
適切な受診のタイミングとしては大腸がん検診を受けていなかったら2〜3年ごとに受けるとよいでしょう。
腫瘍マーカー検査
腫瘍マーカー検査とは、採血をして検査をおこなう手段です。
がん細胞の数が増えると、腫瘍マーカー検査の値が上昇します。
しかし、喫煙や飲酒、腎臓や肝臓の病気の有無などでがんではない状態でも高値になる可能性があります。
また、早期のがんでは値が高く出ないこともあるのがデメリットです。
適切な受診のタイミングとしては、健康診断や人間ドックのオプションとして受けることが推奨されています。
バリウム注腸造影検査
バリウム注腸造影検査とは、バリウムを用いて大腸の形状をX線で撮影する検査です。
バリウムは、一般的にX線検査やCTスキャンなどの画像診断で体内の器官や組織の詳細な構造を観察するための造影剤として使用されています。
精度の面では、CTコロノグラフィーのほうが高いとされています。
適切な受診のタイミングとしては、大腸がん検診を受けていなかった場合は2〜3年ごとに受けるとよいでしょう。
大腸がん検診方法

当院では、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)に力を入れ、大腸がんの早期発見・早期治療のサポートをしています。
とくに40歳を超えると、大腸がんのもとになるポリープができるため、大腸内視鏡検査は重要です。
大腸内視鏡検査では、炎症やがんなどの疑わしい部位が見つかった場合、組織採取をし、ポリープや小さながんであればその場で迅速に治療します。
大腸がんを予防し、健康的な毎日を過ごすためにも、適切なタイミングで検診を受けておきましょう。