人間ドック
胃がんの初期症状は?見逃しやすいサインと早期発見のための検査・治療法

「胃の調子がなんとなく悪い」「食欲が落ちてきた」──そんな症状を放置していませんか?
胃がんは日本人に多いがんの一つですが、初期の段階では軽い胃もたれや胸やけなど、よくある症状に似ているため気づかれにくいのが特徴です。
本記事では、胃がんの初期症状・かかりやすい人の特徴・検査方法・治療法について解説します。早期発見・早期治療の重要性を理解し、気になる症状があれば早めの受診につなげてください。
胃がんとは?

胃がんは、胃の内側の粘膜にある細胞ががん化して増殖する病気です。進行すると胃だけでなく、大腸や膵臓、肝臓など周囲の臓器に広がることもあります。
特に注意すべきはスキルス胃がんです。胃の壁を硬く厚くしながら広がり、初期には症状が出にくく、内視鏡検査でも発見が難しい場合があります。そのため、診断時にはすでに進行していることも少なくありません。
胃がんにかかりやすい人の特徴

胃がんは、胃がんは、日本人に多いがんのひとつです。
- 発症リスクの男女差
男性:約10人に1人
女性:約21人に1人 - 年齢との関係
50歳以降からリスクが高まり、80代で発症数のピークを迎えます。 - 主なリスク要因
– ヘリコバクター・ピロリ菌感染
- 塩分の多い食事(漬物・干物など)
– 喫煙
– 多量の飲酒
特にピロリ菌感染は発症リスクに直結します。感染がある場合は除菌治療や定期的な検査が重要です。
胃がんの初期症状
胃がんの初期には、以下のような症状が現れることがあります。
- 胃の不快感・違和感
- お腹の張り
- 胃(みぞおち)の痛み
- 胸やけ、げっぷ
- 吐き気
- 食欲不振
- 体重減少
- 血便(黒色便)
- 貧血によるめまい・ふらつき
これらは胃炎や胃潰瘍でも起こる症状ですが、放置せずに内科・消化器内科を受診することが大切です。
検査方法と特徴
胃がんの死亡数は減少傾向にあります。その背景には、検査の普及と精度向上があります。
- 内視鏡検査
口や鼻から内視鏡カメラを入れて胃の内部を観察。病変の組織を採取し病理診断も可能。 - X線検査(バリウム検査)
造影剤を飲みX線撮影で胃の形や粘膜の異常を確認。 - 生検・病理検査
採取した組織を顕微鏡で調べ、がんの有無や種類を判定。 - CT・MRI検査
進行度や転移の有無を確認。 - PET検査
がん細胞に取り込まれるブドウ糖を利用し、転移や再発をチェック。
胃がんの治療法
治療法は進行度や患者さんの全身状態によって異なります。
主な治療法は以下のとおりです。
- 内視鏡的治療
早期の胃がんに対して、粘膜切除術(EMR)や粘膜下層剥離術(ESD)が選択される。 - 外科手術
胃の一部または全体を切除。進行がんに多く行われる。 - 化学療法
広がったがんや手術後の再発防止目的で実施。 - 放射線療法
他治療と組み合わせ、がんの進行を抑える目的で行う。
まとめ
胃がんは日本人に多いがんのひとつですが、早期発見・早期治療を行うことで、高い確率で完治が期待できる疾患です。
- 初期症状は胃もたれや食欲不振など軽い症状が多く、見逃しやすい。
- ピロリ菌感染や生活習慣がリスク要因となる。
- 定期的な検査と生活習慣の改善が予防につながる。
少しでも不調を感じたら、自己判断せずに医療機関で相談することが大切です。
参考文献
- 胃がん | 生活習慣病 | 生活習慣病を予防する 特定非営利活動法人 日本成人病予防協会