生活習慣病
HDLコレステロールが低いときの改善法は?原因や治療法を解説
HDLコレステロールが40mg/dL未満になると、冠動脈疾患や脳梗塞の発症リスクが顕著に高まることが研究で示されています。
健康診断で低値を指摘されても自覚症状がないため、対処を後回しにしがちですが、HDLコレステロールは運動や食事・生活習慣を改善すれば数値を上げることが可能です。
本記事では、HDLコレステロールが低値になる原因・リスク・具体的な改善策を医学的根拠とともに解説します。
HDLコレステロールが低いとは?

HDLコレステロールが低い状態とは、血液検査でHDL-Cの値が40mg/dL未満と診断された状態を指します。HDLコレステロールは血管の健康を守る重要な働きを持っており、低値が続くと動脈硬化のリスクが高まります。
ここでは、HDLコレステロールの役割と基準値について詳しく説明します。
HDLコレステロールの役割
HDLコレステロールは、血管壁に蓄積した余分なコレステロールを回収し、肝臓へ運び戻す役割を担っています。この働きによって、血管内へのコレステロールの蓄積を防ぎ、動脈硬化の進行を抑制します。
一般に「善玉コレステロール」と呼ばれるのは、血管を守るこの機能があるためです。HDLの値が高いほど、心臓や血管の病気になりにくいとされています。
HDLコレステロールの基準値
HDLコレステロールは、40mg/dL以上が適正な基準値です。40mg/dL未満になると「低HDLコレステロール血症」と診断され、脂質異常症のひとつに分類されます。
健康診断の結果で基準値を下回っている場合は、生活習慣の見直しや医療機関への相談を検討しましょう。一方で、HDLコレステロールが60mg/dL以上であれば、動脈硬化に対する予防効果が高いとされています。
HDLコレステロールが低いとどうなる?

HDLコレステロールが低い状態を放置すると、血管内にコレステロールが蓄積しやすくなり、さまざまな病気のリスクが高まります。自覚症状がないまま進行するケースが多いため早めの対策が重要です。ここでは、具体的なリスクを以下の3つに分けて解説します。
- 動脈硬化が進行する
- 心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まる
- 2型糖尿病などの合併症リスクが高まる
動脈硬化が進行する
HDLコレステロールが低くなると、血管壁にコレステロールが溜まりやすくなり、動脈硬化が進行します。動脈硬化とは、血管が硬く狭くなる状態のことです。
血管の弾力が失われると、血流が悪化し、心臓や脳への血液供給が滞るリスクが生じます。自覚症状がほとんどないまま進行するため、健康診断の数値を定期的に確認することが大切です。
心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まる
HDLコレステロールが40mg/dL未満になると、冠動脈疾患の発症リスクが急上昇することが研究で明らかになっています。
また、国内の多目的コホート研究では、HDL低値が脳の細い血管に血栓が生じる「ラクナ脳梗塞」のリスクを高めることも報告されています。
HDLには太い血管だけでなく、細い血管での血栓形成を防ぐ作用もあるため、HDLコレステロールが低値になると心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まるのです。
2型糖尿病などの合併症リスクが高まる
HDLコレステロールの低下は、内臓脂肪の増加やインスリン抵抗性の悪化によって引き起こされることが多く、2型糖尿病などの生活習慣病と密接に関連しています。
内臓脂肪の増加に伴うインスリン抵抗性の悪化は、中性脂肪の上昇を招き、それに連動してHDLコレステロールの低下を引き起こします。その結果、脂質異常や糖尿病などの危険因子が重なり、動脈硬化性疾患のリスクが相乗的に高まるのです。
HDLコレステロールが低くなる原因

HDLコレステロールが低くなる原因は、生活習慣・病気・遺伝など複数にわたります。
ここでは、以下の代表的な6つの原因について解説します。
- 運動不足
- 喫煙
- 肥満・内臓脂肪の増加
- 糖尿病や脂質異常症などの病気
- 遺伝的な要因
- 食事の乱れ
運動不足
運動不足は、HDLコレステロールを低下させる主要な原因のひとつです。HDLは身体を動かすことで増加しやすく、運動習慣がない状態が続くと値が下がりやすくなります。
デスクワーク中心の生活や移動の多くを車に頼る生活では、日常的な活動量が不足しがちです。HDLコレステロール低下を予防するために、意識的に体を動かす習慣を取り入れましょう。
喫煙
喫煙する習慣は、HDLコレステロールの低下につながることが明らかになっています。これは、タバコに含まれる有害物質が、HDLコレステロールの合成を直接的に阻害したり、分解を早めたりする原因になるためです。
喫煙者は非喫煙者と比べてHDL値が低い傾向にあり、禁煙によってHDLが改善するケースも多く報告されています。喫煙習慣がある場合は、禁煙が脂質改善において最も効果的な対策のひとつと言えます。
肥満・内臓脂肪の増加
内臓脂肪が増加すると、血液中の中性脂肪が上昇しやすくなり、それに伴ってHDLコレステロールの分解が促進されてしまいます。特に腹部に脂肪が蓄積する内臓脂肪型肥満は、HDL低下と強く関連しています。
肥満による体重増加はHDLの低下につながりやすいです。一方で体重を5〜10%程度減量して適正体重を維持することで、中性脂肪の低下とともにHDLコレステロールも改善する傾向があります。
糖尿病や脂質異常症などの病気
糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病は、HDLコレステロールの低下を引き起こすことがあります。糖尿病ではインスリン抵抗性が高まることで脂質代謝が乱れるため、HDLが減少しやすくなるのです。
また、HDLと中性脂肪は互いに反比例する関係にあるため、中性脂肪が高い状態が続く場合もHDL低下につながります。
遺伝的な要因
生活習慣に問題がなくてもHDLコレステロールが低い場合は、遺伝的な要因が関係していることがあります。
代表的な例として、コレステロールの代謝に関わる酵素やタンパクの異常によって生じる「タンジール病」や「LCAT欠損症」などが挙げられます。
HDL値が20mg/dL未満と極端に低い場合は、こうした遺伝性疾患の可能性も視野に入れ、専門医への相談が必要です。
食事の乱れ
トランス脂肪酸を多く含む食品や、精製された糖質・脂質に偏った食事は、HDLコレステロールを低下させる要因となります。
また、食事のタイミングが乱れると脂質代謝のリズムが崩れ、HDLの低下につながることがあります。
特に夜間は脂質を処理する能力が低下するため、中性脂肪の蓄積を防ぐ意味でも、夕食を軽めにする習慣を心がけましょう。
HDLコレステロールを上げる食べ物

食事内容の見直しは、HDLコレステロールの改善に有効なアプローチのひとつです。特に以下で紹介する4つの食品群は、積極的に摂取することでHDLを上げる効果が期待できます。
- 青魚
- オリーブオイルやナッツ類
- 大豆製品
- 野菜・海藻・きのこ類
青魚
青魚に多く含まれるEPA・DHAなどのオメガ3脂肪酸には、HDLコレステロールを増加させる効果があります。
たとえば、サバ・イワシ・サンマ・マグロ・ブリなどが代表的な青魚です。実際に、週に2回以上青魚を食べる方は、そうでない方に比べてHDLコレステロール値が高かったというデータもあります。
オリーブオイルやナッツ類
オリーブオイルやナッツ類などに含まれる単価不飽和脂肪酸は、HDLコレステロールの上昇効果が期待できる良質な脂質です。
たとえば、アーモンドやピスタチオなどが代表的なナッツ類です。また、オメガ3脂肪酸を含むクルミも脂質バランスの改善に役立ちます。
大豆製品
豆腐・納豆などの大豆製品には食物繊維が豊富に含まれており、積極的に摂取することでHDLコレステロールの上昇が期待できるとされています。
動脈硬化予防のための食事指導においても、大豆製品を多く摂取することが推奨されており、脂質バランスを整える上でも優れた食品です。
野菜・海藻・きのこ類
野菜・きのこ・海藻類に含まれる食物繊維には、腸内でコレステロールの吸収を抑える働きがあり、脂質バランスの改善に役立ちます。
動脈硬化予防のための食事指導においても、緑黄色野菜を含めた野菜や海藻類の摂取量を増やすことが推奨されています。
HDLコレステロールを増やす運動習慣

HDLコレステロールを増やすには、日常的な運動習慣が欠かせません。特に効果的な運動には以下のようなものがあります。ここでは、それぞれの運動の特徴と効果的な取り組み方を解説します。
ウォーキング・ジョギングなどの有酸素運動
ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、HDLコレステロールを増加させるための基本的な運動です。
具体的には、1回20〜30分程度のウォーキングを週3〜4回継続するのがおすすめです。中程度の強度で継続的に行えば、HDLの量や質の改善が期待できます。
たとえばエスカレーターを避けたり、通勤時に歩く距離を増やしたりと、日常の活動量を上げるところから始めてみましょう。
筋力トレーニング
筋力トレーニングには、肝臓の機能を高め、基礎代謝を向上させるなどHDLコレステロールの改善効果が期待できます。
特に、大きな筋肉を使う運動が効果的で、スクワットやプッシュアップなどを各45秒間行い、休憩を挟んで3セット繰り返す方法がおすすめです。
また、筋力トレーニングは、有酸素運動との組み合わせで脂質代謝全体への効果がより高まります。無理のない範囲で、ウォーキングやジョギングなどと併せて行ってみましょう。
高強度インターバルトレーニング
高強度インターバルトレーニングは、短時間で中性脂肪を効率よく低下させる運動です。
20秒間の全力運動と40秒間の休息を繰り返す方法が代表的で、合計5分程度でも一定の効果が期待できます。
また、中性脂肪の分解を促す酵素が活性化されるため、HDL改善にも間接的に働きかけます。有酸素運動や筋力トレーニングと組み合わせれば、脂質代謝全体への効果がより高まるため、曜日を決めるなど無理のない範囲で取り入れてみましょう。
効果的な運動の強度・頻度・時間
HDLコレステロールの改善には、運動の強度・頻度・時間のバランスが重要です。
以下の表にそれぞれの目安をまとめました。
| 運動の種類 | 運動の種類 | 頻度 | 時間 |
| 有酸素運動 | 中強度(やや息が弾む程度) | 週3〜4回 | 1回20〜30分 |
| 筋力トレーニング | 大筋群を中心としたサーキット | 週2回程度 | 1回12〜15分 |
| 高強度インターバルトレーニング | 高強度(全力に近い) | 週1回程度 | 1回約5分 |
運動の効果はすぐには現れませんが、2〜3ヶ月継続することでHDL値の改善が期待できます。無理のない範囲で習慣化し、長期的な改善に努めましょう。
HDLコレステロールを改善する生活習慣

HDLコレステロールの改善には、食事や運動だけでなく日常生活全体の見直しが必要です。禁煙・体重管理・睡眠・ストレス対策など、複数の習慣を組み合わせて取り組めば、より大きな改善効果が期待できます。ここでは、特に重要な5つの生活習慣について解説します。
- 禁煙に取り組む
- 適正体重を維持する
- 十分な睡眠を確保する
- ストレスをためない工夫をする
- 食事の乱れを整える
禁煙に取り組む
喫煙の習慣はHDLの合成を直接阻害するため、禁煙への取り組みはHDLコレステロールの改善に高い効果が期待できます。
禁煙は、喫煙習慣がある方がHDLコレステロールを改善したい場合に、最初に取り組みたい生活習慣です。
自力での禁煙が難しい場合は、ニコチンパッチなどを活用したサポートが受けられる禁煙外来など、医療機関への相談を検討してみましょう。
適正体重を維持する
体重を適正な範囲に保つことは、HDLコレステロールの維持・改善に直結します。
たとえば内臓脂肪が減少すると中性脂肪が低下し、それに伴ってHDLが上昇しやすくなるため、体重管理は脂質改善において重要な要素です。
具体的には、現在の体重から5〜10%の減量を目指して、食事と運動を組み合わせた取り組みをおすすめします。無理のない範囲で減量を継続し、適正体重の維持を意識するとよいでしょう。
十分な睡眠を確保する
睡眠不足は、HDLコレステロールの低下につながることが研究で示されています。
たとえば1日6時間未満の睡眠が続くと、インスリン抵抗性が悪化し、脂質代謝が乱れやすくなります。
質の高い睡眠を確保するには、就寝前のスマートフォンの使用を控えるのも有効な手段です。HDLコレステロールの改善には、睡眠環境を整える工夫も見逃せない要素です。
ストレスをためない工夫をする
慢性的なストレスは、コルチゾールというホルモンの分泌を増加させます。コルチゾールの過剰な分泌は、脂質代謝の乱れにより内臓脂肪が増加し、HDLコレステロールの低下につながります。
たとえば散歩や温浴、自然に触れる時間など、自分に合ったストレス解消法を日常生活に取り入れましょう。時間にゆとりがない場合は、5分程度の瞑想など、短時間でできるリラックス法もおすすめです。
食事の乱れを整える
食事の時間や内容など食生活の乱れは、HDLコレステロールの改善に悪影響を及ぼします。
特に夜間は、脂質を処理する能力が低下するため、夕食は揚げ物を控えるなど、軽めにするのが理想です。
また、トランス脂肪酸を多く含む食材を控え、青魚・大豆製品・野菜を中心とした食事構成に切り替えるとともに、食間を空けすぎないよう食事のタイミングを意識しましょう。
医療機関を受診したほうがよいケースとは

HDLコレステロールが基準値を下回っている場合に、医療機関の受診が推奨されるケースとはどのような状態なのでしょうか。以下に当てはまる場合は、放置すると動脈硬化性疾患のリスクが高まるため、専門医による適切な評価と対応が必要になります。
健康診断で低値が続いている
健康診断で、HDLコレステロールが基準値である40mg/dLを下回る「低HDLコレステロール血症」と診断された場合は、医療機関への相談を検討しましょう。
特に20mg/dL未満など著しく数値が低い場合や、生活習慣を改善しても数値が回復しない場合は、遺伝的な要因や重度の肝臓・腎臓の疾患が関与している可能性があります。
LDLコレステロールや中性脂肪にも異常がある
HDLコレステロールの低値に加え、LDLコレステロールの高値や中性脂肪の異常が重なっている場合は、脂質異常症として包括的な治療が必要になることがあります。
複数の脂質指標に異常がある状態は、動脈硬化の進行リスクが単独の異常よりも大幅に高まります。健診結果でいずれかの数値に異常が見られる場合は、自己判断せず医療機関を受診しましょう。
糖尿病や高血圧などの持病がある
糖尿病や高血圧などの持病がある場合は、HDLコレステロールの低値が重なることで動脈硬化性疾患の発症リスクがさらに高まります。
たとえ持病の治療中であっても、脂質の状態を定期的に確認することが大切です。担当医にHDLコレステロールの数値についても相談し、総合的な診断を受けましょう。
家族に心筋梗塞や脳卒中の既往歴がある
心筋梗塞や脳卒中などの家族歴(家族の病歴)は、動脈硬化を進展させる危険因子のひとつです。さらにHDLコレステロールの低値が重なると、発症リスクがより高まります。
また、HDLコレステロールが低くなる原因には、家族性低HDL血症など遺伝や体質が関与している場合もあります。家族歴がある方は自覚症状がなくても早めに医療機関を受診し、家族の病歴を含めた総合的なリスク評価を受けましょう。
HDLコレステロールが低い人の健康診断結果の見方

健康診断の結果票には、HDLコレステロール以外にもLDLコレステロールや中性脂肪など複数の脂質指標が記載されています。
ここでは、以下の4項目について解説します。それぞれの数値の意味と関係性を正しく理解して、自分の健康状態を知る参考にしてください。
- LDLコレステロールとの違い
- 中性脂肪との関係
- Non-HDLコレステロールとは
- 動脈硬化指数(LH比)とは
LDLコレステロールとの違い
LDLコレステロールは「悪玉コレステロール」とも呼ばれ、血管壁にコレステロールを運び込む役割を持っています。
HDLコレステロールが血管内の余分なコレステロールを回収するのに対し、LDLは逆方向に働くため、両者のバランスが重要です。
LDLの基準値は140mg/dL未満とされており、HDLが低くLDLが高い状態は動脈硬化のリスクが特に高くなるため、健診結果では両方の数値をあわせて確認しましょう。
中性脂肪との関係
中性脂肪とHDLコレステロールは、互いに反比例する関係にあります。中性脂肪が高くなるとHDLが低下しやすく、逆にHDLが低い場合は中性脂肪が高い傾向です。
中性脂肪の基準値は、空腹時採血で150mg/dL未満とされており、この値を超えている場合はHDL低下との相乗効果で動脈硬化のリスクが高まります。
Non-HDLコレステロールとは
Non-HDLコレステロールとは、総コレステロールからHDLコレステロールを差し引いた値を指します。
Non-HDLコレステロールは、他の動脈硬化を引き起こすリポタンパクも含めた指標のため、特に中性脂肪が高い場合などに、評価指標として用いるのが良いとされています。
健診結果にNon-HDL値が記載されている場合、基準値は170mg/dL未満が目安です。数値の記載がある場合は、LDLとあわせて確認するようにしましょう。
動脈硬化指数(LH比)とは
動脈硬化指数(LH比)とは、LDLコレステロールをHDLコレステロールで割った値のことです。LH比が高いほど動脈硬化のリスクが高く、一次予防のためには2.0未満、他に危険因子がある場合は1.5未満が管理目標の目安となっています。
たとえばLDLが120mg/dL、HDLが40mg/dLの場合は、LH比は3.0となるため動脈硬化のリスクが高い状態です。この場合、HDLを上げることでLH比を改善できるため、HDL値の向上は動脈硬化予防において重要な意味を持ちます。
HDLコレステロールに関するよくある質問

HDLコレステロールについて、患者さんから寄せられることの多い質問をまとめました。改善までの期間や飲酒・薬・サプリメントとの関係など、気になるポイントをわかりやすく解説します。
HDLコレステロールはどのくらいで改善する?
HDLコレステロールは、生活習慣の改善を始めてから数値に変化が現れるまで、一般的に2〜3ヶ月程度かかります。
有酸素運動や筋力トレーニング、高強度インターバルトレーニングなど、異なる運動を組み合わせて行うと脂質改善の効果が早まる傾向があります。
短期間での劇的な変化を期待するのではなく、無理のない範囲で習慣化し、継続することが大切です。
HDLコレステロールが高すぎる場合も問題になる?
HDLコレステロールは高いほど良いとされてきましたが、近年の研究では過度に高い場合も心血管疾患の発症リスクを増加させることが指摘されています。
高HDLコレステロール血症の原因の大部分は、遺伝的・体質的な要因とされています。健診でHDLの高値を指摘された場合は、自己判断せず早めに医師に相談しましょう。
お酒を飲むとHDLコレステロールは上がる?
適量の飲酒は、HDLコレステロールを上昇させる効果があるとされています。ただし、飲酒には高血圧や肝障害を悪化させるリスクがあり、過度な飲酒は中性脂肪も増加させます。
そのため、HDL改善を目的とした飲酒は推奨されておらず、飲む場合でもアルコールの摂取を1日あたり25g以下(日本酒なら1合程度など)に抑えることが適切です。
HDLコレステロールを増やす薬はある?
現時点では、HDLコレステロールを直接・効果的に増加させる薬は日本国内で広く使用されていません。
脂質異常症の治療では、LDLを下げるスタチン系薬や中性脂肪を下げるフィブラート系薬が主に使用されます。
これらの薬がHDLをわずかに改善する効果を持つ場合もありますが、HDL専用の薬としての位置づけではありません。
サプリメントは効果がある?
オメガ3脂肪酸サプリメントなどには、HDLコレステロールを上げる効果が期待できるという研究結果もあります。ただし、HDLコレステロールを直接・大幅に上昇させるサプリメントは、現時点では医学的エビデンスが限定的です。
HDLコレステロールの改善効果が期待できる栄養素でも、サプリメントからの摂取よりも食事から摂取する方が健康効果は高いと考えられています。
まずは運動や食事改善など生活習慣全体の見直しを優先し、サプリメントの使用を検討される場合は、必ず医師に相談しましょう。
HDLコレステロールが低い場合は生活習慣の見直しが重要

本記事では、HDLコレステロールが低くなる原因から、食事・運動・生活習慣による改善策、医療機関を受診すべきケースまでを解説しました。
以下に重要なポイントをまとめます。
- HDLコレステロールが40mg/dL未満の状態は「低HDLコレステロール血症」と診断され、動脈硬化・心筋梗塞・脳卒中のリスクが高まる
- 運動不足・喫煙・肥満・食事の乱れ・睡眠不足などの生活習慣がHDL低下の主な原因となる
- 青魚・オリーブオイル・大豆製品・野菜などを積極的に取り入れた食事がHDL改善に効果的である
- 有酸素運動・筋力トレーニング・HIITを組み合わせた週3〜4回の運動習慣が、HDL増加に最も確実な方法のひとつとなる
- 健康診断でHDL低値が続く場合や、LDL・中性脂肪にも異常がある場合は、早めに医療機関を受診することが重要である
HDLコレステロールの改善には、食事・運動・睡眠・ストレス管理を組み合わせた、生活習慣全体の見直しが重要です。健康診断の結果を軽視せず、無理のない範囲で継続的に取り組んでいきましょう。
HDLコレステロールの数値が気になる方や、生活習慣の改善だけでは不安な方は、ぜひ一度専門医にご相談ください。西梅田シティクリニックでは、脂質異常症をはじめとする生活習慣病の診療を行っています。
気になる症状や健診結果がある方は、お気軽にお問い合わせください。