健康寿命
フレイル・サルコペニアとは?40代から始める予防と75歳からのフレイル健診

「フレイル」や「サルコペニア」という言葉を耳にしたことはありますか?
これらは高齢期に心身が衰えていく状態を指し、放置すると要介護状態や生活の質の低下につながります。
しかし、フレイルやサルコペニアは40代からの生活習慣の工夫で予防が可能です。また、75歳からは健診で早期発見・対策ができます。
本記事では、フレイル・サルコペニアの特徴やチェック方法、予防のための生活習慣、さらにフレイル健診について解説します。
フレイルとは?
フレイルとは、加齢によって心身が徐々に弱っていく状態を指します。筋力の低下や活動量の減少だけでなく、認知機能の低下やうつ症状も含まれるのが特徴です。
放置すると以下のリスクが高まります。
- 転倒・骨折
- 要介護状態
- 複数の慢性疾患の悪化
- 日常生活動作(ADL)の低下
サルコペニアとは?
サルコペニアは「加齢に伴う筋肉量の減少」を意味します。
筋肉が減ると、歩行速度の低下や立ち上がり動作の困難など、日常生活に支障をきたします。特に高齢者では転倒や骨折のリスクが増え、介護が必要になる原因の一つです。
40歳からのフレイル・セルフチェック
フレイルは高齢者だけの問題ではありません。実は40代から予防を意識することが大切です。
以下の項目をチェックしてみましょう。
フレイルチェック
- ふくらはぎの太さが、親指と人差し指で作った輪より細い
- 椅子から片足で立ち上がれない
- 1日3食のうち、主食・主菜・副菜を揃えた食事を摂らない日がある
- お茶や汁物でむせることがある
- 1週間に1度も外出しない
ひとつでも当てはまる場合、フレイル予備群の可能性があります。
75歳からのフレイル健診
75歳以上の方は「後期高齢者の質問票」を用いたフレイル健診を受けられます。これは生活習慣や身体機能、認知機能を総合的に確認するためのものです。
主な質問項目は以下のとおりです。
質問の種類 | 質問内容 |
---|---|
健康状態 | 現在の健康状態はどうですか? |
食習慣 | 1日3食きちんと食べていますか? |
口腔機能 | 半年前に比べて固いものが食べにくくなりましたか? |
汁物やお茶でむせることがありますか? | |
体重の変化 | 半年で2〜3kg以上体重が減りましたか? |
運動・転倒 | 歩く速度が遅くなったと感じますか? |
過去1年間で転んだことがありますか? | |
ウォーキングなどの運動を週に1回以上していますか? | |
認知機能 | 周りの人から物忘れの傾向があると言われますか? |
日付がわからないことがありますか? | |
喫煙 | たばこを吸いますか? |
社会参加 | 週に1回以上は外出していますか? |
普段から友人や家族と付き合いがありますか? | |
ソーシャルサポート | 体調が悪いときに身近に相談できる人がいますか? |
この健診により、本人や家族がフレイルへの意識を高め、生活改善につなげられます。
高齢者の社会参加の重要性

フレイル予防には身体だけでなく、社会とのつながりが不可欠です。
取り組み例
- 地域活動:学校教育やボランティアで知識や経験を活かす
- 有償ボランティア:収入を得ながら生きがいや健康づくりにつなげる
- ICT活用:オンラインで交流や情報発信を行い、孤立を防ぐ
フレイル・サルコペニア予防の生活習慣

日常生活の工夫で予防が可能です。
習慣 | 内容 |
---|---|
運動習慣 | ウォーキングやラジオ体操など無理なく続けられる運動 |
食習慣 | 肉・魚・卵・大豆製品などのたんぱく質を意識して摂取 |
記録をつける | 食事や歩数を記録し、習慣化をサポート |
フレイルやサルコペニアは、放置すると要介護リスクを高めますが、40代からの意識と75歳からの健診で予防・早期対応が可能です。
- 日常のセルフチェックを行う
- 運動・食生活を整える
- 健診や社会参加を通じて健康寿命を延ばす
健康に長生きするために、今日から小さな習慣を始めてみましょう。