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人間ドック 2025.07.11

胃がんの初期症状とは?見逃しやすいサインに気づこう


「なんとなく胃の調子が悪い」「胃のあたりに違和感がある」
そんな症状に不安を感じることはありませんか?
受診するほどのことか悩んで、そのまま様子を見てしまう方もいるかもしれません。

本記事では、 初期症状をはじめ、かかりやすい人の特徴や検査・治療法について解説します。

胃がんは早期発見・早期治療が重要な疾患です。
気になる症状がある場合は、迷わず医療機関に相談することをおすすめします。


胃がんとは?


胃がんは、胃の内側の粘膜にある細胞ががん化し、増殖していくことで発生する病気です。
進行すると、周囲の大腸や膵臓、横隔膜、肝臓などに広がる可能性もあります。

さらに、がん細胞が腹膜に散らばる「腹膜播種」や、胃から離れた臓器に転移するケースも見られます。
中でも注意が必要なのが「スキルス胃がん」です。

これは、胃の壁を厚く硬くしながら広がるタイプで、進行が早く、初期には症状が出にくいのが特徴です。
また、内視鏡検査でも見つけにくく、診断時にはすでに進行していることも珍しくありません。

胃がんにかかりやすい人の特徴


胃がんは、日本人に多いがんのひとつであり、 大腸がんや肺がんに次いで発症数が多いとされています。

特に男性に多く、約10人に1人が胃がんになるといわれています。
女性の場合は21人に1人の割合です。

年齢を重ねるにつれてリスクは高まり、50歳を過ぎる頃から少しずつ増加し、80代でピークを迎えます。

少子高齢化の影響で罹患数は年々増加傾向にありますが、早期治療・早期発見が可能であることから、胃がんの死亡者数は減少傾向にあります。

胃がんになりやすい人の特徴のひとつに、「ヘリコバクター・ピロリ菌」の感染があります。
このピロリ菌が胃の粘膜に住みつくと、慢性的な炎症を引き起こし、やがて胃の粘膜が萎縮して、がんの発生リスクが高まります。

そのほかにも、以下のような生活習慣がリスクを高めるとされています。

  • 塩分の多い食事(漬物や干物など)
  • 喫煙
  • 多量の飲酒

これらに心当たりがある方は、生活習慣の見直しや定期的な検査を意識することが大切です。


胃がんの初期症状

胃がんの初期には、以下のような症状が現れることがあります。

  • 胃の不快感・違和感
  • お腹の張り
  • 胃(みぞおち)の痛み
  • げっぷ
  • 胸やけ
  • 吐き気
  • 食欲不振
  • 体重減少
  • 血便(黒色便)
  • 貧血によるめまい・ふらつき

これらの症状は、胃がんだけでなく胃炎や胃潰瘍でも見られるため、自己判断で放置せず、早めの受診が大切です。
気になる症状がある場合は、内科または消化器内科での診察を受けるようにしましょう。

胃がんの罹患数は多いが死亡数は減少傾向にある

胃がんは、日本人男性がかかるがんの中で最も罹患数が多い疾患での一つです。
現在、国内の年間の罹患者数だけで10万人以上が胃がんと診断されています。

しかし、近年では胃がんを原因とした死亡率は減少傾向にあります。
その理由は、医療機関において主に以下の検査が充実してきたからです。
それぞれの特徴を把握し、医師に相談のうえ、適切な検査を受けましょう。

内視鏡検査

口や鼻から内視鏡を挿入し、胃の内部を見ることでがんが疑われる箇所や、その範囲・深さを調べる検査です。
必要に応じて、病変の一部を採取し、病理診断をするための生検を実施することがあります。
また、がんの深さを詳しく確認したり、周囲の臓器やリンパ節への転移を調べたりするために超音波内視鏡検査を実施することもあります。

X線検査(バリウム検査)

バリウムという造影剤を飲んだあとにX線撮影を行い、胃の形や粘膜の状態を確認する検査です。
水分や骨、脂肪や空気といった体を構成している成分によってX線の通りやすさが異なる点を利用し、体の内部の様子を画像として映し出します。
体を通過したX線量の差が影の濃淡としてモノクロ画像に現れるため、病変がより認識しやすくなります。

生検・病理検査

内視鏡検査や腹腔鏡検査で採取した胃の組織を詳しく調べることで、がんの有無や種類を判定する検査です。
治療方針を決めるうえで非常に重要な役割を担っています。

CT・MRI検査

がんの進行度や、リンパ節や他の臓器への転移の有無を調べるために行われます。
CT検査はX線、MRI検査は磁気を使って、体の断面画像を撮影します。
胃の周囲の臓器への広がりを確認するのに有効です。

PET検査

がんの転移や再発の可能性を調べる際に行うことが多い検査です。
放射性フッ素を付加したブドウ糖液を注射し、がん細胞に取り込まれるブドウ糖の分布を撮影することでがんの広がりを調べます。


胃がんの早期発見と治療法


胃がんを完治させるためには、何よりも「早期発見」が重要です。
早い段階で発見されれば、体への負担が少ない治療で完治を目指すことも可能です。
主な治療法は以下のとおりです。

  • 内視鏡的治療
    早期の胃がんであり、がんが粘膜層にとどまっている場合は、内視鏡的粘膜切除術(EMR)や内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が選択される。
  • 外科手術
    進行した胃がんの場合、胃の一部または全体を切除する手術(部分切除、全摘出)が実施される。
  • 化学療法
    がんが広範囲に広がっている場合や、手術後の再発防止のために実施される。
  • 放射線療法
    他の治療法と併用し、がんの進行を抑制するために実施される。

まとめ


胃がんは日本人に多いがんのひとつですが、早期発見・早期治療を行うことで、高い確率で完治が期待できる疾患です。
初期症状は軽度な胃の不快感や食欲不振など、他の病気と見分けがつきにくい場合もあります。
少しでも違和感があると感じたら、早めに内科や消化器内科を受診し、専門医の診断を受けることが大切です。
定期的な検査と適切な生活習慣の見直しが、胃がん予防の第一歩になります。


 

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