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エナジードリンクは体に悪い?カフェインと心電図異常の関係

エナジードリンクは眠気覚ましや仕事・勉強の集中力アップに利用されますが、過剰に飲むと心電図異常や動悸、不眠、生活習慣病のリスクを高めることがあります。
主成分のカフェインや糖分は一時的な覚醒効果をもたらす一方で、体への負担も大きいです。
本記事では、エナジードリンクの成分や効果、体に悪いとされる理由をわかりやすく解説します。
エナジードリンクの成分と健康リスク

主成分(カフェイン・糖分・添加物
エナジードリンクに多く含まれるのは カフェイン と 糖分 です。
1本(250ml程度)あたりのカフェイン量は 50〜150mg 程度で、コーヒー1杯(約80〜100mg)と同等かそれ以上になる場合もあります。
糖分は1本で 30〜40g(角砂糖8〜10個分に相当) 含まれることもあり、清涼飲料水とはいえ「高濃度の刺激物」と考えるべきです。
さらに人工甘味料や香料、着色料も加わり、過剰摂取は代謝や肝臓、腎臓に負担をかけます。
体への影響と摂取目安
カフェインの安全な1日の摂取目安は、成人で400mg程度とされています。
エナジードリンクを2〜3本飲むと簡単に超えてしまい、不眠、不安感、動悸、心電図異常(不整脈)などを引き起こす可能性があります。
糖分も1本で30g以上含まれることが多く、毎日飲み続ければ肥満や糖尿病リスクの増大につながります。
危険とされる理由

心臓や血圧への負担
カフェインは交感神経を刺激し、心拍数や血圧を一時的に上昇させます。
通常は数時間で分解されますが、代謝が遅い人や高齢者では体内に長く残りやすく、動悸や不整脈、心電図異常につながるリスクが高まります。
持病がある方にとっては特に注意が必要です。
糖尿病・代謝異常との関係
前述した通り、エナジードリンク1本に含まれる糖分は角砂糖に換算して8〜10個分に相当します。
毎日摂取するとインスリンの働きを弱め、糖尿病や脂質異常症の進行を助長します。
さらに過剰な糖質とカフェインの組み合わせは、血糖値の乱高下を起こしやすく、体調不良や疲労感の原因となります。
心臓や血圧への負担
カフェインは摂取後6時間以上作用が持続することがあり、夜に飲むと寝つきが悪くなり、眠りも浅くなります。
慢性的な睡眠不足はストレスを増幅させ、集中力やメンタルヘルスに悪影響を及ぼします。カフェインが体に残る時間が長い人では、この影響がさらに強まります。
妊婦・子ども・高齢者が注意すべき理由
妊娠中のリスク
妊娠中に過剰なカフェインを摂取すると、胎児の発育遅延や流産リスクと関連することが報告されています。
特にエナジードリンクはカフェイン量が多いため、妊婦さんは控えるのが安全です。
成長期の脳・神経への影響
小児や思春期の子どもは体重あたりのカフェイン許容量が少なく、少量でも不眠・興奮・不整脈を起こす危険があります。
成長期の神経系や睡眠リズムの発達に悪影響を及ぼす可能性があるため、摂取は避けるべきです。
高齢者が気をつけるべき点
カフェインはエナジードリンクだけでなく、コーヒー・紅茶・緑茶など身近な飲み物にも含まれています。
高齢者は肝臓の代謝機能が低下し、カフェインが体に長く残りやすいため、不眠や頻脈が起こりやすくなります。
コーヒーなら1日2杯、緑茶や紅茶なら3杯程度を目安に抑えましょう。
油断して大量に摂取すると、心電図に期外収縮や頻脈が検出されるケースもあり、特に心疾患を持つ方は注意が必要です。
依存と過剰摂取の問題
依存症の兆候
毎日エナジードリンクを飲まないと集中できない、頭痛やだるさが出る——これはカフェイン依存のサインです。
毎日の摂取がもたらすリスク
常習的に飲むことで、不整脈や高血圧、胃腸障害などが慢性化します。
睡眠障害が積み重なり、心身ともに疲弊する可能性があります。
2本以上で起きる健康被害
エナジードリンクを1度に2本以上飲むと、カフェイン中毒症状(動悸、不安、吐き気、不整脈)が出やすくなります。
救急搬送される事例も報告されており、決して軽視できません。
まとめ:適切な知識で健康を守るために
エナジードリンクは一時的な覚醒効果を得られる一方で、カフェインや糖分の過剰摂取による健康被害が懸念されます。
特に心電図異常や心疾患リスクは無視できず、妊婦・子供・高齢者にとっては危険性が高い飲み物です。
「疲れたらエナジードリンク」ではなく、十分な睡眠・栄養・休養で体を回復させることが基本です。
どうしても必要なときに1本までとし、習慣化は避けましょう。
動悸や不眠、体調不良を感じたときは、早めに内科で心電図検査などを受け、体に異常がないか確認することが大切です。
参考
食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~ 厚生労働省
カフェインの過剰摂取について 農林水産省