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健康情報 2026.09.11

女性に多い甲状腺の病気とは?症状や原因、腫れの見分け方を解説

「最近なんだか疲れやすい」「急に体重が変わった」など、原因のわからない体調の変化に戸惑っていませんか。

こうした日常的な不調の裏には、もしかすると甲状腺の病気が隠れているサインかもしれません。
甲状腺の病気は特に女性に多くみられ、更年期障害や日々のストレスによる症状と間違われやすいのが特徴です。

この記事では、女性に多い甲状腺の病気の種類や主な症状、セルフチェックの方法から受診の目安まで詳しく解説します。

女性に多い甲状腺の病気一覧

甲状腺はのどぼとけの下にある小さな臓器で、全身の代謝を整える重要なホルモンを分泌しています。ここでは、女性の発症率がとくに高い代表的な甲状腺の病気について順番に確認していきましょう。

バセドウ病(甲状腺機能亢進症)

バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されて全身の代謝が異常に活発になってしまう病気です。

常にジョギングをしているような状態になるため、激しい動悸や息切れ、多汗などの症状が現れます。
20代から40代の若い女性に多く発症し、しっかり食事をとっているのに体重が減ってしまうのも特徴の一つです。

放置すると心臓に大きな負担がかかるため、早めに内分泌内科を受診して治療を始める必要があります。

橋本病(慢性甲状腺炎)

橋本病は、自己免疫の異常によって甲状腺に慢性的な炎症が起こり、ホルモンの量が減ってしまう病気です。

体の代謝がガクッと落ちることで、強い疲労感やむくみ、寒がりになるといった症状が日常的にみられるようになります。
成人女性の数人に一人がかかっているとも言われるほど非常に身近な病気ですが、自覚症状がないケースも少なくありません。

ホルモン不足が明らかな場合は、不足分を飲み薬で補う治療を継続して少しずつ体調を整えていきます。

甲状腺腫(びまん性・結節性)

甲状腺腫とは、甲状腺そのものが全体的に、あるいは部分的に大きく腫れてしまう状態を指す言葉です。

全体が腫れる「びまん性」と、しこりのように一部が腫れる「結節性」の大きく二つのタイプに分けられます。
腫れが大きくなると首元の違和感や飲み込みにくさを感じることがありますが、ホルモン量に異常がないことも多いです。

良性のしこりであれば経過観察となるケースが一般的ですが、定期的にエコー検査を受けて状態を確認しましょう。

甲状腺がん

甲状腺がんは、甲状腺に悪性の腫瘍ができる病気であり、これも男性より女性に多く見られる疾患です。

初期段階では痛みや全身の不調を伴うことがほとんどなく、首のしこりに気づいて受診し発見されるケースが目立ちます。
他のがんと比べて進行が非常にゆっくりとしており、適切な治療を受ければ治りやすいタイプが多いのが特徴です。

しこりが急に大きくなったり声がかすれたりする場合は、早急に専門医の診察を受けるようにしてください。

産後甲状腺炎

産後甲状腺炎は、出産した後の数ヶ月間に一時的に甲状腺に炎症が起こり、ホルモンバランスが大きく崩れる病気です。

最初はホルモンが多くなり動悸などが起こりますが、その後は反対にホルモンが低下してだるさや気分の落ち込みが現れます。
産後の疲れや「産後うつ」と症状がよく似ているため、病気だと気づかずに一人で悩みを抱え込んでしまう方も少なくありません。

多くの場合は数ヶ月で自然に回復へと向かいますが、症状が辛いときは我慢せずに医療機関で相談しましょう。

甲状腺の病気で現れる主な症状

甲状腺の病気になると、ホルモンバランスの乱れや甲状腺自体の腫れによって、全身にさまざまな不調が現れます。ここでは、甲状腺疾患でよく見られる代表的な症状について順番に確認していきましょう。

首の腫れ・しこり

甲状腺に異常が起こると、のどぼとけの下あたりが全体的に腫れたり、一部にしこりができたりすることがあります。

鏡を見たときに首元のふくらみに気づいたり、シャツの襟が急にきつく感じたりして発覚するケースも少なくありません。
腫れが大きくなると、食べ物を飲み込みにくく感じたり、声がかすれたりといった違和感を伴うこともあります。

首周りにいつもと違う変化を感じた場合は、早めに医療機関でエコー検査を受けることが大切です。

疲れやすい・だるい

十分に睡眠や休養をとっているはずなのに、どうしても疲れが取れず体が鉛のように重く感じることがあります。

原因のわからない疲労感は、橋本病などで甲状腺ホルモンが減少し、全身のエネルギー代謝が低下しているサインかもしれません。
日々の仕事や家事の疲れだと見過ごされがちですが、長期間にわたって強いだるさが続く場合は注意が必要です。

無理をして頑張りすぎず、体からのSOSとして受け止めて一度医師に相談してみましょう。

動悸・息切れ・手の震え

バセドウ病などで甲状腺ホルモンが過剰に分泌されると、心臓の働きが異常に活発になってしまいます。

そのため、激しい運動をしたわけでもないのに心臓がバクバクと鳴り、少し動いただけで息切れを起こしやすくなります。
また、じっとしているのに指先が細かく震え、字をうまく書けなくなったりコップの水をこぼしたりすることもあります。

日常生活に大きな支障をきたすケースも多いため、動悸や手の震えといった症状が現れたら速やかに内科を受診してください。

体重の増減

食事の量や生活習慣を変えていないのに、急激に体重が減ったり増えたりする場合は甲状腺の病気が疑われます。

ホルモンが増えすぎると代謝が上がりすぎて痩せていき、逆にホルモンが減ると代謝が落ちて太りやすくなります。
とくに「たくさん食べているのにどんどん体重が減っていく」という症状は、バセドウ病の典型的なサインの一つです。

ダイエットをしていないのに不自然な体重変化があるときは、体内で異常が起きている可能性があります。

汗が増える・寒がりになる

甲状腺ホルモンは体温の調節にも深く関わっているため、分泌量の異常によって極端に暑がりになったり寒がりになったりします。

ホルモンが多すぎる状態では、冬でも異常なほどの汗をかき、常に体が火照るように感じます。
反対にホルモンが不足していると、真夏でも寒気を感じるほど体が冷え切り、厚着を手放せなくなることがあります。

周囲の人と比べて極端に温度の感じ方が違う場合は、甲状腺機能の異常を疑ってみるべきかもしれません。

月経不順・不妊との関係

女性にとって甲状腺ホルモンは、正常な月経のサイクルや妊娠を維持するために非常に重要な役割を担っています。

甲状腺の機能が乱れると、生理の周期が不規則になったり、経血の量が極端に増減したりといった月経異常が起こりやすくなります。
さらに、排卵がうまく行われなくなることで不妊の原因になったり、流産のリスクを高めたりすることも分かっています。

妊娠を希望している方や生理不順に悩んでいる方は、婦人科とあわせて甲状腺の検査も受けておくと安心です。

気分の落ち込み・イライラなど精神症状

甲状腺の病気は身体的な不調だけでなく、心や精神の状態にも大きな影響を与えることが知られています。

ホルモンが不足すると気力が湧かずに深く落ち込み、うつ病と間違われてしまうケースも珍しくありません。
逆にホルモンが過剰になると、常に神経が張り詰めた状態になり、些細なことで激しくイライラしたり眠れなくなったりします。

「最近なんだか感情のコントロールがうまくできない」と感じる場合も、甲状腺の不調が関係している可能性があります。

どうして女性に甲状腺の病気が多いの?

甲状腺の病気は、男性に比べて女性の発症率が圧倒的に高いことが医学的にも広く知られています。ここでは、女性になぜ甲状腺のトラブルが起こりやすいのか、その背景や年代について確認していきましょう。

女性ホルモンの変化や自己免疫の異常が関係している

甲状腺の病気が女性に多い大きな理由は、自己免疫の異常が起こりやすい体質に関係していると考えられています。

本来ならウイルスなどの外敵から体を守る免疫機能が、誤って自分の甲状腺を攻撃してしまうのが主な原因です。
なぜ女性の免疫機能が乱れやすいのか、その明確なメカニズムは現代の医学でも完全には解明されていません。

しかし、妊娠や出産などに伴う女性ホルモンの大きな変化が、自己免疫に影響を与えている可能性が指摘されています。

20代〜40代の女性に発症しやすい

甲状腺の病気は、仕事や子育てなどで忙しく過ごす20代から40代の女性に最も多く発症する傾向があります。

この年代は、結婚や出産などライフステージの変化が重なりやすく、心身のストレスも溜まりやすい時期です。
「ただの疲れだろう」と無理を重ねてしまうと、病気の発見が遅れて症状を悪化させてしまうことも少なくありません。

忙しい年代だからこそ、ちょっとした体調の変化を見逃さず、自分の体を大切にいたわることが重要です。

更年期障害やうつ病の症状と似ているため要注意

40代以降の女性に甲状腺の不調が現れた場合、更年期障害の症状と間違われやすいため特に注意が必要です。

動悸や多汗、イライラといった心身の不調は、どちらの病気でも頻繁に見られる代表的なサインとなっています。
また、気分の落ち込みや強い疲労感が続くことで、うつ病だと思い込み精神科に通い続けてしまうケースもあります。

治療を続けても症状がなかなか改善しない場合は、甲状腺の異常が隠れていないか内科で検査を受けてみましょう。

自分でできる!甲状腺の腫れの見分け方

甲状腺の病気は、首元の腫れやしこりといった目に見えるサインから見つかるケースも多くあります。ここでは、自宅で簡単にできる甲状腺のセルフチェック方法について順番に確認していきましょう。

鏡を使って首元の腫れや左右差をチェックする

まずは明るい部屋で正面から鏡に向かい、首を少し後ろに反らせてのどぼとけの下あたりを観察してみましょう。

甲状腺全体が腫れていると、首の付け根あたりがふっくらと膨らんで見えたり、左右で形が違ったりすることがあります。
唾液や水をゴクンと飲み込んだとき、のどぼとけと一緒に上下に動くふくらみがないかも大切なチェックポイントです。

毎日鏡を見るタイミングで首元の様子も確認する習慣をつけておくと、些細な変化にもいち早く気づくことができるでしょう。

首を触ってしこりの有無や硬さを確認する

鏡でのチェックが終わったら、次は両手の指の腹を使ってのどぼとけの下あたりを優しく触ってみてください。

強く押し込むのではなく、皮膚の表面を滑らせるようにして、しこりのような硬い部分がないかを探るのがコツです。
もし指先にコロコロとしたしこりを感じたり、一部だけが不自然に硬くなっていたりする場合は注意が必要です。

良性の腫瘍であるケースも多いですが、中には悪性のがんが隠れている可能性もあるため自己判断は禁物となります。
違和感を見つけたらむやみに触り続けず、なるべく早く専門医の診察を受けてエコー検査などで状態を確認しましょう。

飲み込みにくさや声のかすれがないか確認する

見た目や手触りだけでなく、毎日の生活の中で感じる喉の違和感も、甲状腺の腫れを見分ける重要なサインの一つです。

食事の際に食べ物がつかえるような飲み込みにくさを感じたり、息苦しさを覚えたりすることはないでしょうか。
また、風邪を引いているわけでもないのに、声がかすれて出しにくくなる「嗄声」という症状にも注意が必要です。
原因不明の声のかすれは、甲状腺が腫れて大きくなり、声帯を動かす神経や周囲の気管を圧迫することで起こる危険なサインかもしれません。

こうした喉の異常が長引く場合は放置せず、早急に医療機関を受診して詳しい原因を調べてもらうことが大切です。

もしかして甲状腺の病気?と思ったら何科を受診するべき?

甲状腺の病気かもしれないと不安になったとき、どこの病院へ行けばよいか迷ってしまう方は多くいらっしゃいます。ここでは、適切な診療科の選び方や、病院で行われる基本的な検査の内容について確認しておきましょう。

まずは「内分泌内科」や甲状腺専門医がいる病院へ

甲状腺の不調が疑われる場合、まずは「内分泌内科」を受診するのが最も確実で安心な選択となります。

内分泌内科はホルモンの異常を専門に扱う診療科であり、甲状腺疾患の豊富な知識を持つ医師が診察してくれます。
また、クリニックのホームページなどで「甲状腺専門医」が在籍しているかどうかを確認するのもおすすめです。

専門的な視点から症状を正しく評価してもらえるため、より早く的確な診断や治療へとつなげることができるでしょう。

近くに専門医がない場合は一般内科で相談を

自宅や職場の近くに専門の病院がない場合は、普段から通い慣れている一般内科へ相談しても全く問題ありません。

一般的な内科クリニックでも、問診や血液検査を通じて甲状腺ホルモンの基本的な異常を調べることは十分に可能です。
検査の結果、さらに詳しい専門的な治療が必要だと判断された場合には、適切な専門病院を紹介してもらえます。

「何科に行けばいいかわからない」と受診を先延ばしにせず、まずは身近なかかりつけ医に体調の不安を打ち明けてみましょう。

病院で行われる主な検査

病院での診察では、主に血液検査と超音波検査の二つを組み合わせて甲状腺の状態を詳しく調べます。

血液検査では、血液中に含まれるホルモンの量や、甲状腺を攻撃してしまう自己抗体の有無などを正確に数値化します。
一方の超音波検査は、首元にゼリーを塗って専用の機械を当て、甲状腺の大きさやしこりの状態を画像で確認する検査です。

どちらも体に大きな負担がかかるような検査ではないため、過度に緊張せずリラックスして医師の指示に従いましょう。

甲状腺の病気や症状に関するよくある質問

甲状腺の病気について、多くの方が診察室で抱く代表的な疑問をまとめました。不安を少しでも解消し、安心して治療に取り組むための参考にしてください。

甲状腺の病気は完治しますか?

甲状腺の病気は種類によって完治を目指せるものと、長く付き合っていく必要があるものに分かれます。

たとえばバセドウ病は、薬による治療を根気よく続けることで、多くの方が薬を手放せる状態まで回復します。
一方で橋本病のように、足りないホルモンを薬で補いながら上手にコントロールしていく病気もあります。

一生薬を飲み続けるケースもありますが、正しく服用すれば健康な人と同じように充実した日常生活を送ることが可能です。

妊娠中や出産後に甲状腺の病気になりやすいって本当ですか?

妊娠中や出産後は、女性ホルモンの劇的な変化に伴って甲状腺の機能が乱れやすくなるのは事実です。

とくに出産後には「産後甲状腺炎」と呼ばれる一時的なホルモン異常が起こりやすく、疲労や気分の落ち込みが現れます。
産後の疲れや育児ストレスだと見過ごされがちですが、数ヶ月で自然に回復するケースも少なくありません。

ただし、症状が辛い場合や次の妊娠を希望する場合は、我慢せずに専門医へ相談して状態を確認してもらいましょう。

甲状腺の病気は遺伝しますか?

甲状腺の病気そのものが、親から子へ直接的に遺伝するというわけではありません。

しかし、病気になりやすい「体質」が遺伝することはあるため、ご家族に甲状腺疾患の方がいる場合は少し注意が必要です。
親やきょうだいにバセドウ病や橋本病の人がいるからといって、必ずしも自分も発症するとは限りません。

過度に心配する必要はありませんが、体調の変化を感じたときは早めに検査を受けるように意識しておくと安心です。

甲状腺の病気になったら食べてはいけないものはありますか?

甲状腺の病気でとくに注意が必要なのは、海藻類に多く含まれる「ヨウ素」の過剰な摂取です。

昆布やひじきなどを毎日大量に食べ続けると、甲状腺の機能に悪影響を与え、症状を悪化させてしまうことがあります。
ただし、一般的な和食を食べる程度の量であれば、極端に制限しすぎる必要はありません。

薬の種類や病状によって適切な食事内容は異なるため、必ず担当の医師に確認しながらバランスの良い食事を心がけましょう。

女性に多い甲状腺の症状を理解して、早めに専門医へ相談しよう

甲状腺の病気は、動悸や強いだるさ、急な体重の増減など、全身にさまざまな不調のサインを引き起こします。

更年期障害や日常的な疲れと症状が似ているため、「休めば治るだろう」と自己判断して発見が遅れてしまうケースも少なくありません。

しかし、原因のわからない心身の不調や首元の違和感が長引く場合は、無理をして我慢し続けないことが大切です。
早い段階で必要な検査を受けて正しい原因を把握できれば、症状をしっかりコントロールして健やかな日常生活を取り戻すことができます。

西梅田シティクリニックでは、甲状腺の異常を調べるための診察や検査を通じて、一人ひとりの症状に寄り添った丁寧な治療をご提案しています。
「もしかして甲状腺の病気かも?」「原因がわからなくて不安」と少しでもお悩みのときは、決して一人で抱え込まずに、ぜひ当院へお気軽にご相談ください。

監修医師 赤松 敬之
この記事を監修した医師
赤松 敬之 医師(あかまつ たかゆき)
医療法人 星敬会 理事長/西梅田シティクリニック

 

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